世間は七夕。その影響があったのか関係ないのか、突然雨が降ったり晴れたり曇ったりという慌ただしい空模様でした。

10時からの制作部はお休みの団員が2名いたため、随分人が少なく感じました。しかし、いつも以上に静かで集中した作業を行うことが出来たのも事実です。この日は新しい試作品に取り組む団員もいました。その一方で商品化が決まったグッズの量産に入る団員もいました。同時進行で色々なスケジュールが動いていました。それぞれが自分の得意なスキルを活かして取り組んでいる様子が、以前よりも色濃くなってきた気がします。

13時からの稽古では総監督から「この場所での活動は来週で最後なんですよね。最後に何か企画をやりますか?」との声かけがあり、次週何かをやることになりました(事業所移転に伴い現在の稽古場での活動は次週で終了)。「ここではいろいろあったね」「10年以上だもんね」「昔はここで公演もやったんだよね」「初めて見たのがここでの作品だった」などなど、それぞれの稽古場への思い出が語り合われる中、その思い出のキーワードをお題にしたエチュードをやろうという話になりました。
次週お届けするこの企画、あまり思い出に縛られ過ぎず、お題に対して純粋に即興芝居をやることがルールです。しかも、最近は二人組での挑戦が多かった我々ですが、今回は3人一組というチーム編成になりました。この場所での歴史を良く知っている人をバランスよく振り分けてチームを構成しました。複数のキーワードからそれぞれのチームに同じお題が出されるというのも、今回初の試みです。チームごとに「このお題が来たらこんな展開にしよう」「最初に私がこうやって言うから…」「楽屋って言うと、やっぱりこうかな?」などと大まかな段取りを確認していました。

話し合いの中で目立っていたのは、エチュードの話というより純粋な思い出話でした。当時を知らない団員に、知っている団員が「こうだったんだよ!」と、実際の距離感や動きを再現して見せたり、「確かここに棚を置いて動線を確保してたんだよ」と物の配置を回想してみたりと、次から次へと何年も前の話が繰り返されていました。それだけこの場所での稽古や公演が劇団員の印象に強く残っているのでしょう。現在の劇団員のほとんどがこの場所で初めて「てあとるみのり」を知った人ばかりですから当然かもしれません。「初めて稽古を見た日は本格的にやってるんだなと思った」「ここは本物の劇団だと印象に残っている」などと、それぞれの第一印象が語り合われてもいました。
さあ、そんなこんなで、次週には3人一組のエチュード企画が行われます。この稽古場への思い出や感謝を込めて、どんな物語が披露されるのか?このエチュードは後日動画でアップされる予定ですのでどうぞお楽しみに!