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3月24日の「エールの鉄人」です。

Posted by theatreminori on 24.2022 稽古レポート
東京は寒暖差が激しい日が続いています。しかし劇団員のほとんどは体調を崩すことなく、元気に活動しています。

3月24日(木)10時から12時は制作部の活動でした。先週に引き続いてグッズの試作を続けています。編み物チームは立体的な形状を目指してのパーツ作りを始めました。「できないー!」とへこたれそうになっていた担当者も、周囲の励ましと、このアイテムがなぜ必要かの説得に応じ、以後は集中して作業をしてくれました。縫い物チームは「真っ直ぐ縫うのが難しい」「ここを返してどうやって処理するんだ?」と様々な疑問や難問にぶつかっていました。「布の間を通すんじゃないの?」「え?そんなところどうやって縫うの?」などの試行錯誤を重ねながら、少しずつ精度を上げています。

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13時から16時の稽古時間は、先週配本された「エールの鉄人」の脚本を全員で分析していく話し合いを行いました。分析というと大げさかもしれません。いわゆるあらすじやテーマ、人物のミッションなどの解釈を共有するという作業です。これまでは個人の解釈やセンスに任せて稽古を始めて演出がそれらを整えていく手法が主流でしたが、今年度後半からは脚本をしっかりと解釈し、それを共有した上で各々がなすべきことをやるという取り組みを続けて来ました。早速その成果が出た役者もいれば、相変わらず表面的なセリフの数や長さばかりに目が行き「この人物の職業は?」という、1ページ目に正解がかかれていることにさえ答えられない役者もいました。

そんなバラバラのスタートラインを整えるためにも、この日の脚本解釈共有は重要なイベントでした。そんな解釈が苦手な感覚派の役者たちを、全員がサポートして同じ舞台に立とうとしてくれていたことが大きな収穫でした。これまでは総監督が喝を入れないと動かなかった団員が主体的に互いを支え合って舞台を創ることを目指し始めました(総監督の喝を未然に防ぐため?)。そんな手厚いサポート受けた役者は、これまで積極的ではなかった「メモを取る」ことを実行。あらすじの解釈や見せるべきポイントなどをしっかりと自分なりの言葉で書き留めていました。この変化が続くといいですね。

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18時30分から21時までは夜間の稽古でした。全員が揃ったわけではなかったのですが、集まった団員たちで昼間と同様に物語のテーマやそれぞれの一番の見せ場を共有してから、何カ所かのシーンを稽古しました。もちろんまだまだ中身が固まっているわけでもないので、演じてみてのイメージとのギャップを振り返り、それぞれに必要な修正を施すといった稽古の積み重ねになります。今日得た感触や新しい表現の方法をしっかりと持ち帰り、次回までにどれだけ磨き上げて来られるか?その繰り返しです。

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「エールの鉄人」は5月20日(金)~22日(日)開催の「萬劇場で短編集2022」内で3ステージ上演されます。チケットは観劇、配信共に4月より販売開始が予定されています。ちょっとドタバタ間のある30分間の短編コメディ。会場の皆様を元気にして差し上げられるようなコンセプトで仕上げていきますので、どうぞお楽しみに!