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7月15日の「やみのむこうに」です。

Posted by theatreminori on 15.2021 稽古レポート
早いもので7月も半分。公演まで1カ月と2週ほどになりました。午前中の制作部ではグッズの製造も佳境ですが、同時に衣装の製造が本格化してきました。今回の衣装はかなり手作り感のあるものになりそうです。ベースになる布やTシャツを試着してサイズや加工方法を確認する時間が、午前中だけではなく午後の稽古中にも散見されました。



中には役者自身が採寸された布を「ここを縫うんでしょ?やります」と加工していました。この役者、「これも成長かな。前は一人でなんて縫えなかったよ」と笑っていました。確かに制作部に参加しているうちに縫い物スキルが身についた団員も少なくありません。

午後の稽古は日中シーンごとの稽古、夜に通し稽古が実施されました。日中の稽古では先週の通し稽古で課題が多かったシーンを重点的に行いました。もともと出来が悪かったシーンだけに、この日の稽古1回でいきなりすごい品質になることもなく、演じた役者たちも「悪かったですね」と感想を口にしました。何が悪かったのか、どうすればよくなるのかを演出に尋ねられると「もっと(相手と)心を通わせないと」「相手のことを思っているんだけど、それがセリフが正しいかどうかだけなんだよね」「もっと目を合わせて欲しい」などと、まさに課題の本質とも言える反省点を口にしてました。

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演出からも「この場面でそれぞれが持っている動機付けは大きく整理すると2つか3つだけなので、まずそれがこの場面に立っている大前提。その上で相手のことをどう思っているかで対応が変わる」という構造の説明があり、役者たちはそれを意識して少しずつ演技を改善していました。

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夜は通し稽古でした。稽古の成果が出知多シーンもあれば、先週でも垣間見えていた課題がそのまま残っているシーンもあり、全体としてみると後半に大きく失速した印象の残る通し稽古でした。特に演出から厳しく指摘されたのは、「自分のセリフだけ注目し、どう言うかしか考えていない」という欠点でした。つまり、この場面がどんな状況で、立場的にどんな心理状態で立っているのか?舞台に登場する時の歩き方、経ち方が状況に合致していない、ということです。これは物語を全くイメージしていないことの象徴です。緊迫感が欲しいのか、スローダウンさせたいのか、意図をもって雰囲気を生み出さなければ、その場面で伝えたいことが半分も伝わりません。舞台というものは物理的に嘘の世界を映像的特殊効果なしに目の前のお客様に届けなければいけません。それこそが演技の一部であり、役者に求められる重要な要素です。どうもそこまで深く広く脚本や物語をとらえきれていない役者が多いのが、この団体の以前からの課題でした。その克服のため春先から時間をかけて正しい脚本の読み方を学んできたはずなのですが、まだまだ悪癖から抜け出せない役者が多いようです。

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次週は祝日のため活動がありません。次の稽古は29日になります。時間はたっぷりありますので、今回全く改善できなかった欠点を克服し、質を高めるための稽古ができるような状態で集合するよう、全体で約束しました。「がんばろうね」「できていないから、人の2倍頑張ろう」と声を掛け合う役者もいました。演出からも、これ以上同じ過ちを犯すセリフや場面に関しては大胆なテコ入れを行うことが示唆されました。早くも大きな山場です。ここで頑張らないと、あとがありません。

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こんな勢いで、みんな真剣に取り組んでいる第25回公演「やみのむこうに」は、只今観劇チケットご予約受付中です。配信URLのお申し込みは7月末からとなりますので、もう少々お待ちください。
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