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6月17日の「やみのむこうに」です。

Posted by theatreminori on 17.2021 稽古レポート
6月17日(木)の午前中は晴れていたかと思ったら突然大雨になり、また晴れたと思ったらまた雨が降って来るという不安定な天候でした。ちょうど昼休みにお昼ご飯を買いに出た劇団員が雨に降られて「突然降ってきた―」と大慌てで戻ってくる一コマもありました。

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そんな外の天候に気を取られつつも午前の制作部は順調に進行しました。いよいよ何点かのグッズは完成形が定まり、増産体制に入っています。今のところ縫物、編み物系のグッズが先行していますが、それ以外にもあの定番アイテムの製造も決定しており、次週にはデザインの具体的検討が始まります。

午後は第25回公演の脚本(完成版)が配布されてから最初の稽古でした。どの役者もこれまでのワークショップ形式の稽古で培った脚本のスマートな読み方を実践してきたようで、早くも脚本をほとんど見ずに演じる者までいました。逆に、まだその手法がすんなり浸透しておらず、少々出遅れ感のある役者もいました。それでも、過去の稽古初日に比べればはるかにスタート地点を前進させることができていました。あとは、この平均値の水準を全体で引き揚げていければ問題ないはずです。

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ほとんど脚本を見ないことで、当然ながら思いがけないトラブルが生じることもあります。今回もある役の人物が非常に重要なセリフを演説している最中に、何を思ったか合いの手のような掛け声を発する役者もいました(もう少し先のシーンのセリフの一部でした)。これには、まじめな演説も笑いの感情で崩壊してしまいました。主犯の役者は「きっかけになるポイントを勘違いしていました」と謝罪していましたが、チャレンジしての前向きなミスですので、そこを責める劇団員はいませんでした。

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このようなミスは稽古の序盤だからこそ容認されます。逆に言えば、今のうちにたくさんミスをして恥をかいておくべきなのです。うまくやろう、間違えないようにしようと意識し過ぎて、言葉の形や表面に囚われてしまうと、あっという間に演技の質が停滞します。脚本のセリフに縛られて、表現ではなくセリフの再生になってしまうのです。もちろん、全くあらすじも物語のイメージも頭に入っていない状態での無謀なチャレンジを行うのはお勧めできません。裏返せばイメージが身についた状態に早くたどり着かなければいけないということです。

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本日は、実際の動きや場面転換も想定しながら通して脚本を読み、気になったシーンを抜き出して演出を交えて稽古しました。いわゆる返し稽古を行うと、公演に向けた稽古が始まったなぁと実感できます。そんな第25回公演「そこにあるもの ~しんそこにあるもの~」の劇場公演は2021年8月27日(金)~29日(日)、北池袋新生館シアターにて上演されます(社会情勢によって変更される場合があります)。そして9月には録画配信も行います。チケット販売や配信のご予約などの開始まではもう少々お時間を頂戴します。続報をお待ちください!