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1月21日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 21.2021 稽古レポート
1月21日(木)も日中の「ハートランドみのり」の活動時間に合わせた内容で制作部と午後の稽古を実施しています。いずれの時間も備品の共有、お互いの距離に気を付けての活動でした。

制作部では先週まで実施していたグッズの改良案の試作品作りを継続して実施しています。独りで黙々と行える作業であれば特に気を付ける必要もないのですが、複数人が集まった状態での作業には気を使います。席が離れていても、ついついハサミやノリといった道具の共有が発生してしまいそうになるからです。それだけではなく、細かい調整や作業方法を教えようとするばかり、誰かが持っていたグッズの作りかけを一緒になって支えたり、奪い取るように持ってしまうことにも気を付けなければなりません。今までは当たり前のように、むしろ善意として行っていたことがこの社会情勢では一番気を付けなければいけないことになりました。ついうっかりな一瞬が、場合によると大変な結果を招く恐れがあるという自覚を、全員が等しく持つことが重要です。作業の精度はもちろん、今はそんなことまで考えなければ一緒に活動ができません。うっかりな出来事があれば、すぐに全員で振り返り、再発を徹底して防いでいくよう、常に緊張感をもって活動しています。

午後の稽古も「ソーシャルディスタンス」「近すぎるよ」「真ん中に入れば(空間を)広く使えるよ」などと、お互いの距離を強く意識した活動になりました。この日は3人一組を作ってのパントマイムエチュード、大まかな設定と必ずこのセリフを挿入するという課題を短時間で打ち合わせて3分間の即興芝居として表現するワークショップを行いました。特に、指定されたセリフを挿入するという条件は大きな学びになりました。

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セリフの課題は全員に用意されているので、自分の課題セリフを言ったからOKというわけではなく、同じチームのほかの演者の指定されたセリフをいかにして引き出すかを考えながら即興芝居を続けなければいけません。実はこれは通常の脚本のセリフをやり取りする際と同じことなのです。自分のセリフだけ順番通りに覚えて再生するのではなく、自分が何を言って何をすることで相手の言うべきセリフをスムーズに引き出せるのかを考えてこそ、複数人の演技が成立するのです。つまり、相手に何を言わせるためにどう振舞うのかを考えながら演じることが大切なのです。てあとるみのりの稽古場では自分のセリフを覚えるのではなく相手のセリフを覚えれば、自分の言うべきセリフは自然と出てくるはずという助言が授けられることがあります。まさにこの日のワークショップはその神髄を語っていた気がします。参加者はかなり深い理解と体験を得ることができたようでした。

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本日の活動はこのように、少々地味ではありますが平穏無事に終了しました。今のところ来年度の活動予定は全く見通しが立っていませんが、毎週の活動で地道に基礎的な力をつけている劇団員は一歩ずつ成長しています。どのような形式であれ、その成果をお見せできる日が訪れることを疑うことなく取り組んでいます。この日集まった劇団員の言動はとても前向きで明るいものでした。今だからこそ舞台に臨む姿勢が問われるのです。この状況に正しく向き合えない者はたとえ平穏な日常であっても舞台に向き合うことができない者ということなのです。