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9月17日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 17.2020 稽古レポート
9月17日(木)は活動開始時間がこれまでより30分早まって、通常同様の10時からの活動でした。もちろんこれまでと同じような感染症対策をした上での活動なので、すっかり元に戻ったというわけではありません。夜間の稽古もまだ再開できる状況ではありませんので、16時で活動終了というスケジュールには変わりなしです。

さて、午前中の制作部は完全に分業といいますか、それぞれが担当することを黙々とこなす時間でした。かなり早い段階から物作りに取り掛かっていたので、公演には十分間に合うだろう…と思っていたら、意外にも残り時間が少なくなってきていることに改めて気付き、この日は逆に「そろそろこれも仕上げないとまずい」「このペースだと間に合わない」といった実感がありました。より集中力を高めて各自が作業を進めています。



13時から16時までの稽古では、このところ続けているランダムに組んだ4人組での短編脚本演技を行っています。ただし、今回は今までと違ってエチュード色の強い作品になっています。セリフはほんの4個。あとは大雑把に展開が書かれているト書きがあるだけ。次の状況に至るまでに何があったのかの詳細を想像し、いわゆるアドリブでその間を現実のものに埋めていかなければいけないというわけです。

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まずはチームごとに別れてどのような展開にするか、何がどこに配置されていると想像するのかなどの打ち合わせと稽古を行いました。ある程度の時間自主練習した後に発表です。今回のシナリオにはもう一工夫が施されていて、2組が担当した物語が実は続き物であるという仕掛けです。1回目の発表で初めてその事実に気付き、1組目と2組目、それぞれがイメージした世界観のどのあたりで折衷するかを話し合いました。

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実はこの要素は通常の物語の脚本を演じる時にも意識すべきことなのです。作品全体の世界観をどのように表現するのか?前のシーンがどのような雰囲気で終わっていて次のシーンがあるのか?そのような条件下でより効果的に物語の展開を表現する方法は何なのか?これらは一見すると演出が行う工程と思われがちですが、役者が稽古に臨んだ時点である程度の意図をもって演技構築してもらえれば、稽古の効率が格段に上昇します。効率の向上があれば演出がより深くまで入り込めるので演技の質も向上します。稽古のスタート地点がよりゴールに近い位置になるというアドバンテージが得られるわけです。そのためにも考えなければいけない要素なのです。

役者たちは短時間ながらも物語の裏側を想像し、力を合わせて表現を構築していました。これまでにないような連動や臨場感が存在するセッションになりました。これらの取り組みが次回以降の舞台に生かされることを願うばかりです。