9月10日(木)は10時30分から16時まで、制作部と稽古の活動が行われています。この日は来年参加を検討しているイベントの詳細について審議をする時間もあり、盛りだくさんの内容でした。
来年2月のあるイベントについて話し合う中では、映像作品への取り組みと舞台での演劇との重なる部分と異なる部分についての意識共有が行われました。このようなご時世では多くのお客様に生で舞台を見ていただくことは困難です。そこで有効になってくる表現方法に「映像作品」が浮上してくるのは自然な流れかもしれません。しかし、元来我々の目指しているものは何なのか?映像作品と言ってもどのようなスタイルの物をイメージしているのか?をはっきりさせておかないと、その選択が大きく演劇から逸脱したものになってしまうリスクがあるのです。新しい様式の中での演劇として、もっとできることの可能性は存在するはずです。単に映像でドラマを作ることが本当にやりたい「演劇」なのか?私たちの価値観が試される話し合いになりました。その結論はいずれ、形になって示されるはずです。お楽しみに。

制作部ではこのところ毎週のようにお伝えしているグッズ作りが継続して実施されています。特に新しくお伝えするような新グッズが誕生したり、取り組んでいた試作が没になるといったこともなく、ただひたすらに、黙々と、それぞれが手を動かして作業していました。もちろん作品の品質は回を重ねるごとに向上しています。それだけ製造にも慣れてきた、つまり技術が身についてきたということです。

稽古では、こちらも何週か続けて行っている2チームに別れて短編脚本の自主練習→発表というセッションを実施しました。今回も配役やチーム分けはランダムです。そして、中間発表を行わず、全て自分たちのチーム内で練習しながら改善案を出し合っていき、最後の発表、つまり本番でその成果・完成形を披露するというルールでした。

普段は自分のセリフや演じ方を考えるあまり、全体としてどうすべきか、相手の動きやセリフをどう感じるかがおろそかになりがちです。しかし、この取り組みによってお互いがお互いに「もっとこうしてほしい」「ここはどうやったらいいか」と言った関わりを持つことができました。どのような方向性で演じればいいかわかりにくいところは素直に質問し、どこに立ってどう動けば相手が演じやすいかの意識共有もなされていました。

そんな自主稽古時間を経てお互いの作品の発表です。その発表を見ての感想や意見を相手チームに返していくというスタイルです。「お互いに助け合っているのが見えてよかった」「キャラクターが色濃く出ていてよくまとめられていた」「二人のコンビが良かった」など、前向きな感想が双方にフィードバックされました。考えながら演じていくこと、その成果が相手に伝わったときの喜び。それもまた演技を構築していくことの原点です。普段自分の演技に集中し過ぎて忘れてしまいそうになる演劇の面白さを再発見できる稽古でした。