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9月3日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 03.2020 稽古レポート
猛暑もちょっとだけ和らぎ、暦同様に秋めいてきた東京都。9月3日(木)は夏の暑さが戻ってきたような晴天でした。何年も前の10月に設定が夏の公演をやったら、その期間だけまさかの夏日が戻ってくるという超常現象が起こったことを思い出してしまいます。

さて、さすがに次回予定されている11月下旬は夏日になることはないでしょうが、今のこの暑さをそのままアイテムに込めるように、制作部ではグッズ作りが最盛期を迎えています。春先から少しずつ進めてきた作業だけあって、劇団員の作業能力も向上しており、これまでよりも速く、きれいな仕上がりができるようになってきました。もちろん作業工程の効率化も図られています。



もちろん、こんなご時世ですので、グッズの販売どころか公演のスタイルそのものに変容が求められているわけです。そんな変化にも対応できるようなアイテムであったり、販売方法もしっかりと考えながらここまでやってきました。「欲しい」という方にリスクのかからない販売ができるよう(数量には限りがありますが)、制作部一同神経を使いながら取り組んでいます。

午後の稽古では先週の稽古で実施したランダムに配役やユニットを決める方式で短い脚本の立ち稽古を実施しました。男性が女性、女性が男性という配役が生じるのはもちろん、年齢的にもまさかこの人がこの役を?というサプライズ配役が発生しました。この時点で大きな笑いと、どうなるんだろうという不安と期待が入り混じる高揚感が生まれていました。

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今回は4名のユニットが二つ組まれました。挑んだ脚本は10年以上前に上演したことがある長編作品の一部を4ページほど切り出した教材だったので、ドラマの結末や発端が明記されていません。当時から在籍していた劇団員も数名しかいません(記憶もあいまいです)。だからこそ、「実はこの人物は実はこう考えているのではないか」「この先はこんな展開になるんじゃないか」と想像することが自由にできます。そのイメージをどうやって演技に還元するか、つまり表現するかという点を意識しながらの稽古でした。ユニットごとで自主稽古を行い、発表。他のユニットがそれに対して気付いたこと、アドバイスなどを伝え、再び自主稽古…という流れを繰り返しながら仕上げていきました。

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今回のセッションを経て共有された気付きは、物語の一部分だけを切り取られ、そこでわかりやすい演技を求められると、キャラクターの特徴や相手をどう思っているかをしっかりとひとつひとつの言動に込めることができるという点です。これと同じ作業を長編の脚本でも行う必要があります。どうやって人物の内面や表現すべき側面を読み取っていくかは、長さが変わっても同じことです。待ち受ける結末があるのであれば、それを生かすために、まずはどうすべきかを考えればいいだけです。脚本が長くなるとついついどこからどう読み取るのかわからなくなってしまいますが、今回のセッションと同じ読み取り方をしていけばいいのです。演出からの指摘がないとその領域に至ることが少ない劇団員たちにとってはいい稽古になりました。

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