FC2ブログ

7月9日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 09.2020 稽古レポート
今週の活動日7月9日(木)は10時30分から制作部、13時から16時までが稽古の時間でした。新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環として、いつもより少しだけ活動時間が短くなっています。

午前中の制作部ではエリアを分け、それぞれに担当者を置き、各々がグッズの試作や完成品を目指した作業を行いました。距離が近くならないように、また身体接触がないように気を使いながらの作業でしたが、人に作り方を教えるときや教わる時には、ついつい身を乗り出して相手に接近してしまうこともありました。集中しているからこその現象です。もちろん、すぐに気付いた人から「近付かないでください」と指摘が入りますので、そんな密な状況が継続することはありませんでした。このような状況下で活動することにも少しずつ慣れて来たようです。



いったい何を製造しているのかは…まだ秘密です。編み物、プラ板など、これまでにも存在していたカテゴリに属するアイテムであっても、形状や性質を変えています。11月に公演が実施された暁には、ぜひお買い求めください!

午後の稽古では現在確定している活動予定と、それに向けての準備やスケジュール進行、段階に応じて行うべきことの確認が行われました。今月中に完遂させなければいけない依頼もあり、劇団員は気を引き締めていました。このようなご時世でも需要があるということは大変ありがたいことです。

ミーティングの後には短いシチュエーションの中にも起承転結が存在するという解説から、実際にその展開を意識した即興一人芝居を実践するワークショップ形式の稽古が行われました。参加者全員、それぞれに異なる状況設定や物語展開が用意され、しばらくイメージする時間を設けた後に、全員が順番に演技を披露しました。事前に状況設定を公開しなかった(知っているのは本人だけ)ので、まずはギャラリーたちが「どんな状況?」「主人公はどんな人?」などと意見交換をしました。そこから与えられた設定の種明かしを行い、よりわかりやすく、また展開を印象強くするためにはどんなことを考えればよかったのかを総監督から振り返りを行いました。

tIMG_6207.jpg

演じてみると1分程度の短いシーンですが、そこにはしっかりとしたドラマ性が潜在し、起承転結の流れを意識することで何をどう表現するべきなのか?結末を生かすにはどこにどんな工夫をすればいいのか?が明確になりました。脚本のある演技でも同じことで、ワンシーンでのセリフ、人物像、物語全体などにも細かいドラマ要素があります。脚本や役を解釈して、より質の高い演技を作り上げていくには必要な発想です。感情だけを出す、動作だけを強調するのではなく、それらが何故、どのようにしてそこに出てくるのかの仕組みを演者は意識しなければいけないということです。

tIMG_6212.jpg

文字で振り返ると難しそうな印象がありますが、実際にやってみると自由な発想とそれぞれの演技の特徴が存分に発揮され、とても楽しいものでした。アドリブ的な即興演技でも複雑な人間の感情を瞬時に創出できる役者もいました(逆に脚本でセリフや動作を固定されるのが苦手な人ですけれど)。そういった個性を平等な条件の中で改めて確認し合えたことは団員にとってもいい刺激、勉強になったのではないでしょうか。相手の良いところを採り入れ、自分の苦手な面を改善していく。まだまだ成長できる余地はたくさんあるのです。