COVID-19の感染拡大防止のため、外出を極力控えるという大型連休を終えた5月7日。本来であればこの日から活動を再開する予定だったのですが、皆様もご存知の通り、我が国の緊急事態宣言が延長されましたことを受け、私たちの活動自粛期間も延長されました。
この間、8月に予定されていた「萬劇場夏の短編集Vol.9」の中止が決定。稽古や制作部の集まっての活動もなく、周囲の劇団も次々と公演の中止を発表し、まったくもって演劇から遠ざかるような、ネガティブな日々が続いておりました。
しかし、ただ何もせずに残念がっているだけではなく、私たちは週に1回オンラインで活動を行っています。5月7日には、当初予定されていた自粛期間中の課題進捗を確認し合うため制作部のオンライン活動が実施されました。お互いに試作したアイテムを画面越しに見せ合い「すごい」「よくできている」「これもいいね」「あの生地の方がいいね」などと意見交換をしました。団員たちは時間を持て余していたようで、改良を重ねながらいくつかの試作品を作っていました。試作回数を重ねることで完成度が高まっているのが明らかでした。まだまだ完成までは程遠い品質ではありますが、このペースで研究と試作を重ねて行けば、なかなかの品物をお届けできる気がします。

午後の稽古もオンラインで実施しています。活動自粛期間に入った4月から毎週木曜日に実施しています。いつもの稽古に比べると開催時間も短く、当然ながらお互いが動きで直接的なコミュニケーションをとることもできません。稽古と言っても細かい演出が付くわけでもないただの脚本読み合わせです。それでも参加した団員はステイホームが続く非日常の中で、久し振りに複数の第三者と演技を通じて会話ができたことに満足そうでした。

このご時世ですから肉体的なコンディションにナイーブになるのは当然ですが、実はさらに重要なのは精神的なコンディションです。色々な物事を我慢して生活していくことへの耐性はもちろん、そんな時期を抜けて活動を再開する時に高い動機付けを維持したまま復帰できるのかどうかを左右するのがメンタルの状態です。これに対するケアという観点からも、このようなオンラインを活用した活動には意味があるように感じます。やはり人間はお互いに支え合い、影響し合いながら生きていく社会的な生命体なのだなと実感する今日この頃です。
さて、そんなこんなで、現在は表立った活動をお届けできず、このように団員たちだけで細々と演劇を介した活動を継続しております。いずれ皆さまにも何かをお届けできる日がやってきますので、その日までお互いに、お互いの「今できること」にチャレンジしていきましょう!