「#演劇的な一日」のリハーサルまでちょうど2週間、第23回公演まで1カ月となりました。制作部ではDM発送はひと段落し、グッズと衣装作りに本腰を入れ始めています。まだDMの文書をしたためている団員は急ピッチで、しかし丁寧に心を込めてメッセージを綴っていました。お手元にその気持ちが届くことを祈ります。
午後の稽古も同様に、残りの時間を考えた稽古内容になってきました。稽古内容というよりは、回を重ねても変化のない稽古内容になってしまうことへの警鐘が鳴らされたという表現の方が妥当かもしれません。指摘されたことが改善されていない、課題として提示したことがクリアされていない。そんな稽古が何回か重ねられたことに、演出から「油断しているのではないか」「稽古を重ねる意味がない状態」「2週間前の仕上がりとは思えない」「特に以前から出演している役者の危機感がなさすぎる」「このまま同じことを繰り返すなら、スキルとして不可能な要求をしているとみなして出番や脚本を修正するしかない」といった厳しい指摘が投げかけられました。直接言葉を投げかけられた役者はもちろん、そのシーンに出演していない役者にも緊張感が芽生えました。

その後のセッションではほとんどの役者が脚本を手放し、何が起きても集中を切らすことなく、しっかりとした演技を見せていました。やればできるということだったようです。ただ自信や思い切り、踏み出すきっかけがなかっただけのようでした。「これが最低ライン」「このレベルに上乗せしてほしい」と演出からも一定の評価が返ってきました。ここから落とさずにパフォーマンスを上げて行ければ、何とか形になりそうです。

その一方で、そこまで言われても脚本を手放せず、演出の要求にこたえきれていない演技を行っている役者もいたのが事実です。何度も実技指導をし、繰り返し練習をしてきたことができない人もいました(自主練ではできていたはずなのに…)。こういった役者に対しては演出が丁寧に「なぜできていないのか」の自己分析を促したり、何が足りていないのかの振り返りが行われました。その上で、このままのキャラクター付けで演じ切れるのかどうかの手応えを役者自身に判断してもらうようにしていました。「どこまで仕上がっているのか?」「次回までにどこまで仕上げられるのか?」といった役作りの進捗を本人がどこまで具体的に認識しているのか?これもまた役者に求められる能力のひとつなのでしょう。それぞれの答えに応じて、演出からは次回までの対策が提示されています。

稽古の後半は出番のない人が休憩を取るようにして、全体での休憩時間はないまま稽古が進行しています。役者は出番がなければ休めますが、演出はフル稼働です。ちょっとしたインターバルには照明スタッフとの打ち合わせを抜け目なく行い、21時までの稽古時間をみっちり使っている印象でした。それだけ、より良くしようという意識でできることをできる時間内で目いっぱい行っているということです。役者たちも休憩できるからと言ってただ無駄に遊んでいるわけではありません。脚本を読んだり、出番のない役者同士で演技について振り返ったり、他の人の演技を真剣に観察したりと、有意義に稽古時間を使っていました。その時を共有するだけでも、演技に向けた集中力や緊張感が伝播します。これは団体としてはとても大事なことです。ぬるま湯的な仲良し集団のままでは、全体の品質が上がって来ません。瀬在琢磨という言葉通り、互いに刺激し合って、少しでも磨き合おうという意識を持たない限り、進化はあり得ません。残された時間でそんな思いをどれだけ同じレベルで全体が共有できるのか?最後はここが決め手になりそうです。

そんな我々の思いが詰まった「UNKNOWN」は2月8日(土)南大塚ホール、2月20日(木)~2月24日(月)北池袋新生館シアターにて上演されます。前者はイベント公演のため入場無料。後者は通常の公演になりますので1,500円のチケットのお買い求めが必要です。詳しくは以下のリンクからご確認・お申し込みください!
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