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10月24日の「トリガリ」です。

Posted by theatreminori on 24.2019 稽古レポート
11月21日(木)~24日(日)に中板橋新生館スタジオにて上演される予定の第22回公演「TRIGGER REMAKE」まであと1か月を切りました。チケット(1,500円)のご予約も絶賛受付中ですので、ぜひお早目のご予約をお願い致します!会場はいつもの北池袋ではなく中板橋です。お間違いのないようにご注意ください。
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さて、そんな10月24日(木)の活動は、いよいよ公演が迫ってきた緊迫感のあふれるものになりました。午前中の制作部でも滞っていたDM発送を一気に進め、1カ月前の節目における宣伝に力を入れました。先週までは制作部のリーダーである石塚が、チームまん〇さんの「GUNMAN JILL」公演に深く関わっていたので不在の時間が多く、その間に他の顔ぶれが気合を入れて諸々の作業を進行させておくはずでしたが…いざ石塚が復帰してみると「遅い!」「これしかできてないの?」という鉄槌が下されてしまいました。まだまだ具体的な指示がないと正確かつ迅速に作業を進めるのは難しいようです。とは言え、いつまでも受け身の裏方作業では話になりません。今回のできなかった事実を真摯に受け止め、全員が制作部の一員である自覚と責任をもって、これからの活動に取り組んで行かなければなりません。

午後の稽古では、これまで稽古を行ったシーンとまだ行っていなかったシーンの双方をじっくりと稽古しました。少しずつではありますが脚本を手放して演じようとする役者も見受けられました。もちろんまだまだ正確にセリフを再現できていないところもありますが、いつかは手放さなければいけないものです。そのチャレンジが早ければ早いほど、後の稽古での積み重ねが大きなものになっていきます。「自信がないから」という理由で躊躇していると、他の役者から遅れを取ってしまうのです。



稽古の後半では物語の山場に相当するシーンを、どのように演じるべきか、何を思うのか、どんな雰囲気を観客に見せたいのかといった演出からの解説を加えながら繰り返して稽古しました。物語の山場のシーンですから、表現するべきものがはっきりしているはずです。しかし、役者たちの表現はまだまだそのテーマを具現化するレベルには至っていなかったようで、演出からは「やるべきことがはっきりしているのにできていないというのはどういうことか?」という疑問が投げかけられました。派手なアクション、難易度の高い動作が求められているわけではありません。人間として誰もが持ちうる感情や他者への思いなどを、物語の中で表現するだけのことです。演劇の原点ともいえる、実にシンプルな要求が演出から出されているだけのことです。役者たちは「まだまだ稽古に向けての準備や努力が足りていない」という反省材料を持ち帰ることになりました。

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感情を表現するにあたって、そのセリフの時に瞬発的にそんな雰囲気を表現するという上辺の演技を行っている役者がいたことも気になった点です。演出からもそんな演技をしていた役者には率直な指摘があり、それ以外の役者にも「このセリフはなぜあるのか?」「どんな気持ちでセリフを発しているのか?」といった、解釈をすり合わせるような質問が頻繁に投げかけられました。小中学生が行う国語の文章読解問題のように、それぞれののセリフや出来事の裏側を考えていきました。特殊な儀式のように感じるかもしれませんが、そういった根拠が存在しなければ、リアルな思いが流れる演技は構築されません。その場に立っているすべての役者がそのレベルで演じ合わなければ、それだけでそのお芝居は崩壊してしまうのです。演出からは全体に、特にこれまで何度か舞台に立っている役者たちに向けて、そんなメッセージが強く投げかけられました。

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厳しい話が目立った制作部と稽古ではありましたが、公演まで1カ月という節目の段階ですから、それも当然のことかもしれません。楽しく和気あいあいとやっていくだけでは、お客様をお招きして、そのお客様にご満足いただけるような興行を開催できません。そんなスピリットはこれまでの20回を超える公演のすべてで強く意識され、受け継がれてきたものです。だから10年以上、20回以上の公演を刻むことができたのです。これが、てあとるみのりなのです。

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