早いもので7月も後半です。「萬劇場 夏の短編集」まであとわずかになってきました。制作部も役者たちも、やるべきことを明確にして、効率よく仕事を進めていかなければいけない段階です。
そんな午前の制作部は、衣装作りと11月公演のグッズ作りを継続して行っています。縫い方や止め方が上手く理解できないうちには「どうやるの?」「これじゃダメ?やり直し?」と何度も質問が飛び交っていましたが、一度段取りを理解すると、後は黙々と作業が進みました。

この日は外を回る仕事も一件ありました。夏の短編集と同時に開催される「折戸通りの小さな夏祭り」のチラシを「としまくけいじばん」100か所に掲出するプロジェクトです。これはイベント運営の萬劇場スタッフの発案でスタートした取り組みで、豊島区で活動している我々が喜んで協力を申し出たという流れで、事業所近隣十数か所の掲示板を担当することになったのです。豊島区の許可押印済みのチラシを萬劇場で受け取り、早速何か所かの掲示板を回って作業しました。貼るだけなら簡単…と思いきや、他の掲示物が色々貼られていて、まずはそれらをきれいに並べ直してから場所を確保しなければいけないという現実があり、作業は予想以上の時間と労力を要しました。しかし、これが夏祭りの成功への手伝いになると信じ、汗を流してやり遂げました。

そして午後の稽古。こちらは後半のシーンを重点的に稽古しました。動き方、セリフのやり取りの仕方など、細かい部分に演出が加わっていきました。「このシーンで少し全体の流れを落ち着かせたいからゆっくりやってほしい」「二人の会話の駆け引きをスリリングにしたい」「お客様にこう思わせたい」といった、物語全体のバランスや糸を考慮した演出が多かった印象があります。もちろん個々の演技に対しても「止まってからセリフをお願いします」「相手を見たままで動いて」「この声掛けで反応しないとおかしいですよね」などと、具体的な改善点が指摘され、稽古を繰り返して修正していきました。


稽古の終盤では通し稽古を実施しています。課題が多かった後半の場面を整理した後の通し稽古ということで、全体のクオリティに期待がかかっていた通し稽古でした。確かに、全体の流れやシーンのつながりには改善の跡が見受けられました。しかし、それぞれの役者のセリフや演技に関しては、間違っていたり、忘れてしまっているところが散見され、いい出来だったとは言い難いものでした。

さすがに通し稽古終了後は全員が暗い雰囲気で反省しきりでした。演出からも「舞台が始まってしまったら、こちらからは何も助けてあげられないので、自分たちで何とか頑張ってほしい」「これから現地の舞台に合わせて動きや間合いが変わるところがたくさん出てくるのだから、稽古場ではパーフェクトに近い演技をしてほしい」といった要求が投げかけられていました。次週の稽古までにどこまでこの日の反省を生かし、演技を向上させて来られるか?ここが正念場です!