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6月27日の「コイノオキテ」です。

Posted by theatreminori on 27.2019 稽古レポート
気が付けば6月も最終週。てあとるみのりの活動も6月最後となりました。ここからはあっという間に8月の「萬劇場 夏の短編集VOL.8」の本番を迎えることでしょう。てあとるみのりが登場するのは8月8日(木)19時30分からと10日(土)12時30分からの2ステージです。チケットご予約も絶賛受付中(前売り3,300円)ですので、ぜひお早目にご予約の上、大塚駅徒歩5分の萬劇場へご来場ください!
チケットご予約→こちら

さて、そんな宣伝から始まりました6月27日(木)の活動の様子を紹介しましょう。午前中の制作部では短編集で上演予定の「コイノオキテ」に関わる衣装や小道具の作成、加工が行われました。布を縫うもの、切るもの、巻くもの、着色するものなど、様々な工程があり、それぞれ手分けして進行しています。一度完成したかに見えたアイテムも、実際に試用してみると「もっとこうしたほうがよかったね」という改善点が出てきます。それでも「こうやって失敗を重ねて成功にたどり着くんだよね」と受け止め、改善点を反映させた改良作品を作るのが制作部の仕事でもあります。逆に「これはこっちで使えるね」というアイディアの流用もひらめいたりと、転んでもただでは起きない図太さもあります。これも長年にわたって培われてきた力なのでしょう。



午後の稽古では、先週実施した通し稽古の分析に基づいた、各シーンの振り返りと実際の演技指導が行われました。より良く見せるために、これまでに一度決まっていた演出も覆されることもあります。役者たちはそれぞれに対応し、少しでも全体の品質を向上させることに努めていました。

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役者の演技の仕方というのは千差万別です。感性を重視する人、しっかりセリフとそれに対応する演じ方を考えてきてから演じる人もいます。どちらが正解ということはありませんが、結果として、ひとりの登場人物に統合されているかどうかが問われます。この点が苦手な役者が、てあとるみのりには数名います。瞬発的な演技の引き出しは持っていても、それが一人の人物としては成立していない。キャラがぶれているという現象から抜け出せないのです。困ったことに、そのことを言葉で伝えても本人には自覚と言いますか、何をどうすれば改善されるかのイメージさえないという状況でさえありました。しかし、今回の脚本に向き合う中で、少しそんな閉塞感を打開するきっかけをつかめた役者も存在しました。稽古の中で演出から丁寧にひとつひとつの言葉やしぐさの意味を照合されていく中で、何に焦点を当てて演じていくかがはっきりしたようです。「今の演技は、何か、すごくよかったです」「演技ってこんなに楽しいものだったんですね」と、数年間の経験を経てやっとその感覚にたどり着いたようでした。

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こう考えると、私たちを構成している役者たちは、一般の劇団の役者さんたちよりも成長速度も、基礎的な経験値や理解力も低いと言わざるを得ません。いわゆる「フツー」レベルのスキルが身についていませんし、そのスキルを獲得することさえ容易ではないというのが実状です。しかし、だからと言って諦めている人も、甘んじている人もいません。少しでも良くしたい、自分を成長させたいという欲求は、一般の劇団に負けていません。だからこそ、11年以上にわたって、途切れることなくコンスタントに活動を続けてこられたのでしょう。「コイノオキテ」では、そんな思いの上で創り上げられた、これまでにない品質のパフォーマンスをお届けできるはずです。ぜひ、私たちの現在地をその目でご確認下さい!

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