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6月13日の「コイノオキテ」です。

Posted by theatreminori on 13.2019 稽古レポート
6月も半分を経過しようとしています。今年は去年と違って、東京は梅雨らしい梅雨の季節を迎えています。雨模様の日が多いことで気分が上がらないとか言っている場合ではなく、夏の短編集へ向けて一直線の活動を行っている様子をお届けしましょう。

まずは午前中の制作部。夏の短編集で上演する「コイノオキテ」で使用する衣装作りに取り掛かり始めました。衣装を作ると言っても完全にハンドメイド言うわけではなく、既存の衣装を購入し、それをアレンジする形でプランが進行しています。とは言え、簡単にイメージ通りの物に仕上がるわけではなく、何度も試行錯誤を繰り返していく必要があります。衣装の場合、役者のサイズとの闘いも控えています。ギリギリのサイズで挑んだ舞台では、ことごとく衣装が破損し、最終ステージまで機能しないというのが我々の定番です。せっかく労力を傾けて準備した衣装が最後までその使命を全うできるかどうかは役者自身の体のサイズと衣装のサイズのマッチング、役者のアクションの質にかかっています。大きすぎても小さすぎてもギャップや動作制限が生じるサイズ問題は、私たちの役者の間ではなかなかシビアな問題なのです。

さて、そんな苦悩を持続させつつ迎えた午後の稽古。何名かの役者は衣装の試着、小道具案の試用が行われています。小道具案そのものではなくても代用品を使って稽古に臨む役者もいました。何しろ来週には最初の通し稽古が控えています。少しでもイメージを近づけて演じるために、気持ちを入れやすいようにと、各役者は工夫を凝らしつつ、できることにはどんなことでもすがりつくような思いで挑んでいました。



夏の短編集には全団員が出演するわけではありません。代役要員として稽古に協力する役者もいます。そんな役者も、キャスト全員が揃っているとなかなか出番がありません。しかし、退屈な時間を過ごしているわけではありません。この日は演じている役者の感情や動作にシンクロして、ギャラリー側から身振りや表情で勝手に演技を始める団員もいました。演技中の役者にはこの上ないほどの気が散る要素になっていましたが、みんなの心がひとつになっているような実感は得られました。「ついついうずうずしてしまう」というのがうるさいギャラリーを演じていた団員の言い分でした。まあ、それはそれで、身内とはいえ人を引き込むような演技ができつつあるという解釈にしておきましょう。

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短編集はたった30分という制限時間の中で物語を演じます。当然ながら一人一人の出番も少なく、物語の構成も緻密というよりは明快な方向に重心が寄っている印象があります。つまり、演じる役者もそういった作品であることを念頭において、短い出番の中でいかに観客にわかりやすく伝えるか、何を届けたいかをはっきりさせた表現を求められることになります。玄人好みしそうな、じっくり深まっていく表現を行っている時間的余裕がありませんので、致し方ない条件です。そんな大胆さを発揮できる役者が思いの外少なく、どうしてもじっくりとキャラクターの魅力を押し出そうとする演技が目立っていました。肝心なのは最初の3つまでのセリフ。そこでこの人物は何をどう考えているのかを知らしめること。演出からはそんな指示が何度も出されていました。

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今週は出演者全員が揃っての稽古となった「コイノオキテ」。いよいよ来週には通し稽古です。少しずつではありますが音響も入って、臨場感を盛り上げています。いったい次週までにどんな準備をそれぞれが行ってくるのか、とても楽しみです。15日(土)には夏の短編集のチケット販売もスタートします。のんびりしている暇はありません!皆さんも、ぜひチケットをご予約の上、てあとるみのりがお届けする、いつもとは一味違った夏限定の物語をご覧になって下さい!

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