気が付けば平成最後の活動日。しかし、活動中はそんなことをすっかり忘れてしまっていた4月25日(木)10時から16時までの活動の様子を紹介していきましょう。

制作部では編み物と縫物を中心としたグッズの試作品作りを継続して行っています。この日はあるパーツを手作りしてきてくれた団員もいました。買って調達するつもりであれこれ探していたパーツだっただけに、自分で作ってしまうという発想には全員驚かされました。実際に使用してみて質感や機能面を検証することになりましたが、どうやら既製品と比べても遜色ないようでした。グッズが試作段階を抜けて本格的に製造され、情報が解禁されれば、そのパーツが何だったかをお知らせできるでしょう。

先週は大遅刻をやらかしてしまった大女優も、この日は時間通りに活動に合流し(忘れ物もなく)、熱心に編み物作業を行っていました。どのぐらいの大きさにするのか、色はあっているのかなど、その都度確認をしながら作業を進めました。以前に比べると編んだ編み目が均一になっているので、試作ながらも仕上がりがきれいに進化していました。団員達も試作品の仕上がりを見て、「かわいい」「これならいけるんじゃないですか?」と好感触を得ていました。こちらもどんな形で採用され、商品になるのか、今から楽しみです。

稽古では詩作脚本の一部を使って、動きまでつけていくセッションを行いました。まだ脚本は出来上がっていませんが、8月の萬劇場「夏の短編集」を意識して、役者たちはアピールに必死でした。試作品の中に出てくる登場人物にさえ「この役は他の人に与えたくないです」と主張する人もいました。さらに、休憩時間には勝手にスピンオフ的な裏物語をアドリブで演じる二人組もいました。とにかく試作脚本の中の世界を、思い切り楽しもうとしているようでした。初見の脚本ながら、何度か繰り返しているうちに動きも大きくなっていき、役者たちの順応力の高さには感心させられます。

順調に質が高まったシーンの他に、どうしても苦手なシーンもありました。普段の公演では取り扱ったことがない状況を演じるのはなかなか難しかったようです。いったいそれはどんなシーンなのか?てあとるみのりの公演を毎回のようにご覧いただいているお客様には想像がつくかもしれません。とにかくみんな公私にわたって経験不足なシーンです。これは大きな課題でした。配役や脚本そのものの変更の必要性があるかもしれません。
もっとも、今回使用した脚本は全く話がまとまっていない、試作中の試作作品。ここから大きく姿形を変えて上演脚本に仕上がっていきますので、苦手なシーンがそのまま残るかはわかりません。しかし、得意な部分と苦手な部分をそれぞれが共有し、次の稽古に生かせるような雰囲気が今日の稽古場にはありました。こういった気付きや学びは必ずどこかで生きてくるものです。普段触れることのないようなシーンに触れられた今日の経験は貴重なものになるはずです。