周知いたしましたように、てあとるみのりはお陰様で活動開始から満11年となりました。振り返ってみると色々なことがあった11年間でした。きっとこの1年にも色々なことがあるのではないでしょうか。すべては支えて下さっている皆様の温かいお心があってのことです。団員一同感謝を噛み締めながら、日々の活動に力を注いでまいります。
さて、そんな記念日を迎えてすぐの4月18日。大女優がいきなり大遅刻をするというハプニングからスタートした制作部。このところ続けて取り組んでいる新作グッズの研究開発を引き続き行っています。かなり具体的に形が出来上がっており、今週は完成までの作業をどのように分担するかを意識しながら試作を続けました。作業を円滑に、参加者の手が空かず、そして安全に進行できるような工程を考えながら、この日も2つの試作品が仕上がりました。作業工程だけではなく、形状はこれでいいのか、どう工夫すればうまく表現できるのかといった技術的な要素も検証しています。

ちなみに、1時間以上遅れてきた大女優には専売特許ともいえる編み物スキルでパーツを作ってもらう予定でしたが「かぎ針を忘れた」という大失態が発覚。仕方ないので制作が持っていたかぎ針を貸して、昼休みまで作業を続けてもらいました。大女優本人も「(グッズ作りを)やりたいです」という執念のようなものを見せてくれていました。次回からはそのエネルギーを遅刻しない方向に向けてもらいたいところです。
午後にも改めて11周年達成の話、何点か情報が解禁された内容についての再確認が行われました。「今のうちに情宣できることもあるよね」「DM発送のラベル作りや挨拶文は作れるんじゃない」など、この時点で早くも宣伝活動に意欲を見せる団員がほとんどでした。やはり少しでも多くのお客様にご覧いただきたいという思いは共通のようでした。

その後の稽古では、萬劇場夏の短編集公演へ向け、イベントのテーマに近い作品の一部分を役者たちでアイディアを出し合いながら演じるセッションを行いました。配役も含めてより良い組み合わせを模索したり、動き方、小道具の配置をどうイメージするかなど、お互いに意見交換をしながら形を創って行きました。そんな中、向かい合うシーンでどうしても一部の人が客席に背中を向けてしまう現象から抜け出せずにいると、演出から「周りの人が動くことで中の人も中央に移動できるから、その後方からの声掛けをすれば前向きになりますよ」といった鶴の一声が。「そうか。そういう発想があるんですね!」と役者たちは目からうろこでした。

終盤にはいろいろな舞台で見かける殺陣について、ごく簡単な基礎講座を行いました。殺陣には独特の剣の振り方があるため、まずはその理由とイメージを学び、実際に短い模造刀を使って素振りをしてみました。大きく振ってしまわないように意識することが難しく、まずはゆっくりと、肘や剣先の軌道を確認しながらの練習でした。少し慣れてきたところで下半身の動きも意識してみましたが、これもなかなか難しかったようです。もちろん、いきなり次の舞台で殺陣を導入するという予定ではありませんが、役者たちは「できたらかっこいいなぁ」という雑念を糧に、何度も繰り返して練習していました。動機は不純であれ、こういった主体的な意欲はとても大切なものです。
さて、そんなてあとるみのりの次なる公演は8月8日(木)~11日(日)に大塚萬劇場で開催されます「夏の短編集」での2ステージです。そして第22回公演が11月21日(木)~24日(日)中板橋新生館スタジオにて行われます。演目はまだ発表されていませんが、11周年迎え、よりお客様に楽しんでいただけるような作品を目指していますので、どうぞご期待ください!