世間はバレンタインデーというイベントを満喫している(かもしれない)2月14日。この日は第21回公演「織田桐会議」前最後の通常活動日でした。
午前中の制作部。今回も販売する予定のキャラクターしおり製造に力を入れました。キャラクターデザインが全キャラ分確定したのがつい先日だったので、実際の製造作業に割ける時間が限られています。手作業で次々と製造を進めました。キャラクターしおりは、てあとるみのりの公演では定番のアイテムです。全登場人物をデフォルメしたしおりを各100円で販売しています。デザインは劇団員の村上が担当しています。常にデザインや技法に試行錯誤をして生み出された今回のキャラクターしおりも、当然ながら過去最高のクオリティです。お気に入りのキャラクターが発見できた方は、記念にぜひお買い求めください!

午後は稽古。こちらは公演1週間前ということで、かなり緊張感のある滑り出しとなりました。前回の稽古で整えた形や流れが表現できていないことに対して、演出からは稽古に臨む際の緊張感の欠如と、役者同士の演技を協調していく意識の不足が指摘されました。
稽古での緊張感とは、常に安心感のある環境で稽古を重ねてきた慣れや甘えから生じるものです。慣れ親しんだ仲間同士で明るく楽しい稽古ばかりしていると、いざ本番、稽古場とは違った環境での上演といった際に著しく緊張し、稽古では存分に発揮できていた演技、落ち着きが全てかき乱されボロボロになってしまうという悪癖が顔を出すものです。まさに私たち最大の欠点です。先日の「演劇的な一日」でも、信じられないようなミス、稽古とは明らかに異なった言動から抜け出せなかったのは、なぜか南大塚ホールを経験したことがあるレギュラー劇団員ばかりでした。こういった状況に陥る最大の原因は普段の稽古に臨む姿勢にあります。稽古だから失敗しても笑い話になる、周囲が寛大に受け入れてくれるという優しい関係性の中で活動しているため、緊張感が足りないのです。演出からは日頃からもっと自分を追いつめて、一度指摘されたことは何が何でも次の稽古までに修正してくるという集中力や責任感を持つこと、ダメ出しされなくて「あーよかった」「ラッキー」だと思って何もせず終わるのではなく、自分で自分の演技のできていないところ、気付かれなかった(指摘されなかった)ミスを自分で修正してくるといった準備がまだまだ足りない(それで許されてしまう空気が役者同士の中にある)のです。仲良く、チームワークよく稽古ができることはとても素晴らしいことです。しかし、それはあくまでも、ここが自分のやるべきことを責任を持ってやり遂げてきた上で成り立つものです。

役者同士の協調も不足しがちな要素です。自分の演技や振り返りには耳を傾けるのですが、他者が指摘された点について、一緒にその方向性を理解し、より良くするためにコンビネーションを工夫する、アイディアを提案すると言った働きかけが乏しいのです。特に今回の物語はグループで創り出す雰囲気が重要です。こういった協調や連動が雰囲気作りの鍵を握っています。それなのに、各自が考えてきた演技のプランや修正された演出箇所だけ練習し、披露しているようでは、到底その境地には達しません。もっと役者同士で何をどう表現したいと考えているのか、その為にもっとどうするべきかという考え方の要求や共有が必要なのです。

これらの要素が抜けているから、何度稽古をしてもできない演技があったり、演出を付けられたはずの要素が抜けてしまっているのです。本番合まであと1週間という切迫した状況だからこそ、こんな当たり前の事を再認識し、力を合わせて仕上げていく原動力にしなければいけません。お客様にご覧いただくという重大な責任、重圧をもっと真剣に感じ、受け止め、その上でもいつも通りに近い演技を再現できるよう、日頃の稽古からとんでもない重圧の中に身を置かなければならないのです。

舞台には共に立つ仲間がいます。その仲間の存在に甘えるのではなく、互いを知ったし、支え合うような、共創を目指してこそ、ひとりの時には出せなかった力を発揮できるのです。
公演まであと1週間!第21回公演「織田桐会議」で、どれだけの成長を示せるのか?ぜひお客様の温かくも厳しい視線で、その成果をお確かめください!
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