午前中の制作部では、プラ板系のグッズ案・試作品の検討と、「演劇的な一日」当日のパンフレットに織り込む予定の「織田桐会議」チラシの納品を中心に行いました。また、定番のあのグッズのデザインについても、出来上がっている案の検討を行っています。プラ板アイテムのデザインでは、マスコットキャラクターのジョッピーをどう扱うかで議論が交わされました。メインでデザインに反映させすぎると、物語とのイメージのずれが生じてしまうため、ジョッピーへのこだわりを捨てることが再確認されました。マスコットキャラクターであるがゆえに、まずはそれありきでデザインの考案が進んでしまうと、逆にバリエーションを狭めてしまう恐れがあります。少し視野を広げて、様々な可能性を模索していく必要があります。1か月で公演も終わってしまうので、ここからアイディアも生産もスピードを上げていかなければいけません。

午後の稽古では、脚本の後半部分のうち、現在できている試作品の配布が行われました。後半になってそれぞれの人物の本音が語られたり、変化が表れたりするので、試作品とはいえ、ここから読み取れる情報はとても濃密なものになります。役者たちは真剣にセリフを追いかけ、物語の展開、登場人物の変化などをつかみ取ろうとしていました。まじめな展開に一喜一憂するだけではなく、「このセリフは!」「役者の素が出てますね」といった、知る人ぞ知るネタ的なセリフにも注目が集まっていました。黙読の後には実際に後半部分を通して読み合せてみました。予想以上に展開が劇的で、どうやって飽きさせずにお客様に見せられるかをイメージしながら振り返りを行い、同時に後半部分で明らかになったキャラクターの特徴や役作りのポイントについても語り合わました。

その後は2月9日の「演劇的な一日」で上演する「オダギリカイギ」の何シーンかを稽古しました。会議という名前が示す通り、今回の舞台は会話や議論が中心に進んで行きます。そこで重要になってくるのか、いかに自然な会話のような流れを表現するかです。日常的な雑談では、相手の言葉が終わってから一呼吸を置いて次の人が喋り出すというパターンはほとんどありません。相手の言葉終わりにすかさず言葉を入れて行かないと他の人が喋り出してしまうからです。当たり前のようにやっているこのことが、セリフになると、自分の順番を意識してしまうあまり、変な間が開いて言葉が続いていく演技が続いてしまいます。劇的な展開で言葉を失ったり、相手の言葉をしっかりと受け止めて意見を述べるのであれば、それで雰囲気を表現できますが、今回求められているのは自然な会話です。流れるように、入り乱れながら、要所要所で誰かが引き締めるという展開が求められています。まずはそんな演技の構造を共有し、会話のテンポや流れが生きてくるように考えて演じました。少しでも意識すると雰囲気が大きく変わり、わいわいがやがやと話し合っている様子が表現できるようになってきました。これをどこまで磨き上げられるかが勝負です。

「演劇的な一日」は複数団体が参加するイベントなので、舞台上にも共通の装置が設置されています。先日イベントの打ち合わせの中で正確な図面が提示されました。稽古中にはその舞台装置の中でどう動き、どう位置を取るかといったイメージの共有も行われました。稽古場で全く同じサイズを再現することはできません。また、その後に控える第21回公演は別の会場で、また舞台のサイズが異なります。まずは稽古場の中で自然に位置関係を作れるように心がけ、現地でそのニュアンスを横に引き延ばしたり奥行きを持たせたりするという方法で調整することにしました。このあたりのやり方も、最近色々な会場で上演させていただいている経験があるおかげか、団員たちは特に焦ることもなく理解していました。

もうすぐ1月も終了。「演劇的な一日」まで2週間、第21回公演「織田桐会議」まで1か月です。まだまだ稽古は始まったばかりという雰囲気ではありますが、来週からは木曜日以外の追加稽古も始まります。ここから1回1回の稽古が重要になってきます。とにかく自分たちのやれることをやり切って、お客様に楽しんでいただけるような舞台に仕上げていきますので、どうぞよろしくお願いします。
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