FC2ブログ

12月6日の「ボーダーライン(Satellite)」です。

Posted by theatreminori on 07.2018 稽古レポート
あっという間に12月です。日本精神障害者リハビリテーション学会サテライト企画公演まであと1週間と少々しかありません!いよいよ迫ってきた感じがします。そんな12月6日(木)の活動の様子をブログでお届けしましょう。

制作部では何組かに分かれて、それぞれが担当する作業を行いました。一組は学会で使用するちょっとした小道具(私たちの公演で使うものではなく、学会の懇親会で使うものです)作りを行いました。手書きのイラストが得意な団員に東京の観光名所や名物を描いてもらい、ある小道具を装飾しました。写真や資料を見ながらのイラストはなかなかの出来栄えでした。普段はグッズのデザインに発揮されている力が、少し別のオーダーにも生かされています。いったい何に使うどんなものを作っているのか?何かの機会で出来上がった作品を紹介したいところです。どうしても見たいという方は12月15日(土)夜に開催される日本精神障害者リハビリテーション学会の懇親会にご参加ください。

tDSC_3678.jpg

別の組は今回の「ボーダーライン」で使う衣装の一部を修繕しました。今回はタヌキの衣装の一部をリニューアルしました。その一部とは、尻尾です。前回は薄い布で造形した尻尾の中に新聞紙を詰めて立体的にしましたが、今回は尻尾の質感にこだわり、ふさふさした毛が生えているような尻尾にしました。かなりの進化です。たった1回のステージのためとはいえ、やれることはやろうという姿勢で開発しました。そしてもう一組は編み物部隊。第21回公演で販売予定のグッズの製造を続けました。編み物は時間がかかります。しかも誰もができる作業ではありません。今からどんどん手を動かしていかないと間に合わなくなりますので、担当者は地道に作業を進めていました。

午後の稽古では「ボーダーライン」の各シーンを冒頭から順に稽古しました。先週は出演者全員が揃いましたが、公演本番まで全員が揃うことはありません。昨夜特別稽古として、本日参加できない団員を中心にした練習を実施しています。そこで演出と共有した解釈や演じ方を本日の稽古で還元して、全体に浸透させました。

tDSC_3679.jpg

それ以外のシーンではその場で起きていること、聞こえるはずの言葉に対して現実的な反応ができているのかを確認する箇所がありました。回を重ねて稽古したり脚本を読んでいると、どうしても自分のセリフの中にきっかけや表現の方法を求めてしまうことがあります。例えば「この(自分の)セリフで怒る」「ここは強く言うところだから大きな声を出す」「ここはかっこよく言う」「このセリフで相手を見る」といった組み立てを優先してしまうことがあるということです。これはまったくもって中身のない演技になってしまいます。以前にも演出から紹介された根っこのある演技ではありません。目の前のどんな出来事に対して何らかの反応があるからセリフや行動が生まれてくるわけですから、なぜそこに反応するのか?どんな価値観を持っているのか?そんな価値観に至った理由は何なのか?などのプロセスを把握しておかないと、現実的かつ柔軟な演技はできません。これは基本的なことでありながら、繰り返していく中で忘れてしまうことでもあり、役者本人は「役作り」に没頭しているうちにそんな錯誤に気付かなくなってしまうものです。この日の稽古は改めてそんな大切なことを見つめ直す機会になりました。

tDSC_3696.jpg

ダンスシーンの練習も行われました。各自が自主練習を行ってきた成果があったようで、これまでなかなか動きが揃わなかった箇所がかなり改善されていました。隊列によっては前の人を見て踊れるポジションの人もいますが、そこでお手本を皆が踊ることに慣れてしまうと、どうしても振り付けの動き出しや決めポーズが遅れてしまいます。振り付けを知っていて前の人を参考にするのと、自信がなくて(よく覚えていなくて)見ているのでは意味合いが大きく変わってきます。やはり大前提として、自分一人でも踊りの流れを把握し、振り付けをスムーズに再現できるようにしておかないといけないということです。そんな問題点に該当する団員も、この1週間でしっかりと修正してきたようです。だからこそ全体の動きが連動して、ダンスらしくなってきたということです。これまでに何度も公演させていただいている「ボーダーライン」ですから、その熟練度を観客の皆様にご覧いただかなければなりません。

tDSC_3703.jpg

間もなくに迫った「ボーダーライン」。それ以外にも2月の「演劇的な一日」イベントの準備も進んでいます。同時進行でいろいろな情報が飛び交う現在のてあとるみのりではありますが、全員が自分が今やるべきことをしっかりと把握して、日々精進していくことで、それぞれのスケジュールをいい形で終えられるようにしたいです。もちろん、その仕上がりを皆さまに会場でご覧いただきたいです。ぜひよろしくお願いします!

各種リンクはこちら↓
日本精神障害者リハビリテーション学会第26回東京大会
無料再演「ボーダーライン」特設ページ