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11月22日の「ボーダーライン(Satellite)」です。

Posted by theatreminori on 23.2018 稽古レポート
先週末の「こころまつり」も無事に終了し、次は12月の日本精神障害者リハビリテーション学会で上演する「ボーダーライン」と2月の「演劇的な一日」と「第21回公演」へ向けての活動に集中していくことになりました。私たちにとって、とても忙しい日々が続いている2018年ですが、少しずつイベントや公演が終了し、カレンダー的にも終わりが見えてきました。



さて、そんなてあとるみのりの11月22日。まずは午前中の制作部です。こちらは引き続き第21回公演で販売を予定するグッズのアイディア検討と、すでにデザインが確定したアイテムの製造を行っています。何度か商品開発を行っていると団員たちの目も肥えてくるもので、試作品に対して「かわいい!」という表面的な感想だけではなく「これなら絶対売れますよ!」「原価はこのパーツを入れても〇〇円ぐらいに収まります」などという、商品としての意識付けの高さが感じられるディスカッションが行われていました。そういった審議を経て、実際に生産しようということが決まったアイテムは、さっそく製造作業に入っています。第21回公演の詳細がまだ明かされていないので、デザインやコンセプトを組みにくい商品もあるので、そちらは一時保留。まずは確定している商品を先行して作って行くことにしています。

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午後は12月の「ボーダーライン」へ向けた稽古を行いました。特に力を入れたのがダンスシーンの仕上がりです。何度も踊っているダンスなので、振り付け自体に不安がある者はほとんどいません。しかし、慣れてきてしまったからこそ、細かい動きのタイミングや、ポーズの取り方がバラバラになってきてしまい(それぞれが自己流になるので)、全体の品質が低下してしまうことがあるのです。特に今回は大きな舞台で、特殊な照明を使えないというイベントにありがちな条件の中での上演です。近い距離が生む迫力だったり、照明による雰囲気などに助けられることはありません。役者たちの動きがすべての出来栄えを左右することになるのです。シンクロ率を高めておかないと、何度やってもできの悪い踊りになってしまうのです。全員でそんな意識を共有して、ダンスの特訓に臨んでいました。なかなか稽古に合流できない役者もいるので、整ってきた動きを録画して、共有できるようにしています。

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たっぷり1時間半ダンスの練習を行った後は演技の稽古でした。冒頭のシーンから演じつつ、改善点がある箇所で演出を入れて、何度か繰り返して稽古を行いました。この日に演出から数多く出された言葉は「何を思ってこの言葉を発しているのか、登場人物が何を想像しているのかを役者が想像するように」という、いわゆる演技の根拠を持って演じることへのリクエストでした。繰り返して演じている脚本なので、一度そういった根拠を手にして、納得のいく演技の形が出来上がると、その形を再生することが目的になってしまい、中身が伴わない言動に終始する罠にはまってしまうのです。その現象を演出はこのように評しました。「その演技は花瓶に差した切り花で、一見きれいだが時間が経つと枯れるものだよ」「もっと言動の根拠、根っこがしっかりした演技をすれば、どんどん枝や葉が育っていくはずですよ」と。これはなかなかの名言ではないでしょうか。

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稽古の最後は大乗優雅気合い入れのリーダーを務め「明日からもみんなで輝いていこうよ!」という名言を残しました。さらに稽古中にはある役者が「取り越し苦労」というセリフを「年越し苦労」と読み、年の瀬が迫っていることを実感させてくれました。芝居の面白さを堪能できる一日だったような気がします。来週の稽古は出演者全員がそろう予定です!楽しみです!