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8月9日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 09.2018 稽古レポート
台風13号が関東地方に接近し、無事に活動できるかどうか不安視されていましたが、幸いにも東京はほとんど影響がなく、8月9日(木)は通常通りの活動を実施できました。

午前中の制作部では、9月に参加予定のイベント「アースキャラバン」で販売するためのグッズ案検討が行われました。昨年製造したデザインを振り返りながら「これは今年も出そう」「この色の組み合わせがアースキャラバン限定っぽくっていいよね」「ジョッピーのこのポーズを取り入れたら売れると思う」などと、具体的な意見交換が行われ、いくつかの試作品を持ち寄る事が決定しました。その先に20回公演も控えているので、グッズのデザインの差別化であったり、流用可能なものの見極めも意識して話し合いを進めています。

午後には外部団体の見学兼取材がありました。メインの取材は演劇とは直接関係がありませんでしたが、団員たちは生き生きとした表情で自分の体験や思っていることを語っていました。時折脱線しつつも、とても楽しそうでした。取材に来られた方には、その後の稽古も見学していただきました。障がいがありながらも演劇に取り組んでいる団員の姿を直接ご覧いただくことで、何かの企画の役に立てるのであれば、私たちにとってもうれしいことです。

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稽古では「何やんの?脚本はまだないんでしょ?即興やる?」という大女優の一言から、実際に即興のセッションを行うことになりました。場面はとある演劇部。演目は決まっていて配役を決める話、廃部の危機にある演劇部の話、全国大会に出場決定したが部員が1名転校してしまいどうしようという話と、それぞれにテーマを設定しての即興でした。どのセッションでも部長と顧問の先生役だけ決めて、あとはどんな部員のなのか出たとこ勝負。やる気のある生徒や超まじめな生徒、演劇大好きな生徒など、様々な組み合わせが成立しました。

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以前は即興演劇を行うと、セリフが止まってしまう空白の時間があったり、特定の役者ばかりが物語を進行していたりというバランスの悪さが目立ちましたが、この日の即興劇は誰一人芝居を止めている人もおらず、常に何かのドラマが動いているライブ感が伝わってきました。これこそお芝居の醍醐味です。当然ながら見ていてもとても楽しめるセッションでした。

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振り返りでは、この芝居の感触を大切にすることが共有されました。即興では常に「相手が何を言ってくるのか?」「この状況で話を展開するにはどんな意見を出すべきか?」「相手の性格を考えると自分はこんな態度をすべきではないか?」「この話題だったらこの人に賛同しよう」「この人と対立するなら距離を取るべき」などと考えながら言葉を発したり行動しています。だからこそ行動や態度からもその人の考えや立場が垣間見え、そこにセリフだけではない深いドラマを感じるわけです。実際に脚本がある芝居を演じるうえでも、こういった生の感覚、新鮮な心の流れを再現しなければいけないということです。それができないと、ただセリフにとらわれただけの芝居になってしまうというわけです。セリフにこだわることは重要です。しかし、セリフにとらわれてはいけません。この矛盾した目的を絶妙のバランスで表現することも、役者に求められているスキルであり、また、永遠の目標でもあるのでしょう。

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来週はいわゆる夏休み期間となるため、てあとるみのりの活動もお休みです。少し間が空いて次回は23日(木)の活動です。このころには第20回公演の詳細もお伝えできるはずですのでお楽しみに!