さあ、いよいよ開幕しました!
萬劇場SHORT STORY COLLECTION!!皆さん、もうチケットのご予約はお済みでしょうか?こんな面白い演劇のお祭りはそうそう見られるものではありません。
てあとるみのりにこだわることなく、ぜひお時間とお財布に余裕のある方は、大塚駅から徒歩5分の
萬劇場まで足をお運びください!
チケットご予約は→
こちら

いきなりの宣伝モードから始まりました本日7月26日(木)。
てあとるみのりの出番は28日(土)ですので、この日は最後の活動で作品の総仕上げを図っています。制作部では衣装や小道具、稽古では演技の中身に手を加えました。
まずは本日の話の前に、23日(月)に行われた劇場でのリハーサル(音響、照明との合わせや暗転の練習)について。この日は朝から仕込み部隊が劇場入りして作業を行いました。
てあとるみのりからは精鋭3名が派遣され、他の参加団体の方々、出演こそないものの運営面でご助力いただいている団体の方々と共に、劇場全体の準備を実施しています。
てあとるみのりにとっては初めての
萬劇場。ただそれだけでわくわくするのですが、さらに作業中や作業の合間には、他団体の方との交流機会も持つことができ、とても有意義な時間でした。

夕方まで各セクションが設営を行って、いよいよ夜は私たち
てあとるみのりのリハーサルです。この日のリハーサルは私たちだけですが、翌日からの2日間で残りの8団体さんが怒涛のリハーサル。劇場スタッフの方々の迅速かつ正確な対応には頭が下がります。さて、肝心の自分たちのリハーサルはと申しますと、限られた時間の中で合わせと練習が必要なシーンをピックアップし、特に問題がありそうなシーンは繰り返して練習を行いました。音響、照明に入っていただいた劇場スタッフの方からも、その場でいくつかのアイディアを出していただき、演出の椙田と協議をした上で、この環境で表現できる最善のプランを編み出していきました。役者たちも、実際の舞台や袖の構造、暗転中の体感的な同線など、普段の稽古場ではわからなかった現実の感覚を得ながら、シーンごとにトラブルがないか、リスクがないかを確認していきました。緊張感もあってか、いつも以上にスムーズにいかない動きが目立ちましたので、そこはこの週の稽古で確実に修正する必要があります。公演当日にはより大きな緊張感がのしかかることでしょう。その点も踏まえて、重圧の中でも極力いつも通りに表現できるように準備をしなければいけません。そんなシビアな空気を感じることができたリハーサルは夜の21時まで実施されました。

そして迎えた本日。午前中の制作部では衣装の最終調整や加工に余念がありませんでした。気になる部分は徹底的に煮詰める。これは物を創る上での鉄則です。本日の誤算は、主宰が手がけるはずだった衣装の汚し作業の一部が、まさかの電車停電による大幅遅延で、あまり時間を割けなかったという点でしょうか。もちろん、どこがそれに該当するのかはわからないように作業を処理しましたのでご安心ください。
午後の稽古は、先日劇場で行ったリハーサルで浮き彫りになった問題点の改善を最優先に実施されています。その前の稽古で改善したはずの内容がリセットされてしまっていた個所もあり、本来演出が求めている動きや表現は何であったかを、その根拠も含めて再確認しました。1回出来たからといって油断してはいけません。うっかりミスが出てしまわないように、何度も繰り返してひとつのシーンを稽古しています。先日のリハーサルで音響と照明の完成度(の高さ)は存分に感じることができました。つまり、演技の品質もそれ相応に高めていかなければ、あまりにも場違いな芝居になってしまうということです。この光栄な重圧をどうはねのけるのか?それがなされた先には、確実に今までにない景色が待っていることでしょう。

最終稽古のフィナーレは通し稽古2本。どちらの通し稽古も全員が満足いく出来栄えではありませんでした。今までミスしたことないセリフでミスしてみたり、修正されたはずのセリフがまた崩れていたり、動きの確認で直っていたはずの動作がかつてのNG動作に戻っていたりと、全員に何らかの課題が突き付けられる通し稽古となりました。「今までこんなミスしてなかったのに」「今回はみんなボロボロだった!」「最後だということで緊張したのかな」と様々な感想が聞かれましたが、演出からは、どんなに積み重ねてきたものがあろうがなかろうが、本番の1ステージが全ての答えであるとの含蓄のある言葉が与えられました。「稽古ではできていたのに」とか「すごい頑張ったんですけれど」という言い訳は、一切観客の心には届かない、つまり、本番でできたことだけが評価され、できなかったことが永劫にマイナス評価されるということです。そして同時に、稽古ではできたというのであれば、できないことをやれと言われているわけではないということです。求められているのは、必ずできることなのです。

だからこそ、やるべきこと、できることは確実に表現できるような準備の積み重ねが必要なのです。それを「重圧」と感じるのはごもっともなことです。しかし、その重圧の正体とは何なのか?劇団員に問うと、すぐに答えが返ってきました。それは「期待」であると。
そうなのです。自分の知り合いが見に来れば、「どんな演技をするのかな」「どんな役なんだろう」などと期待をされます。イベントに出れば、主催者や共演者から「この人たちの力はいかほどなのか?」「本当に同じ舞台に立つにふさわしいのかな?」といったシビアな意味での期待を寄せられます。特に今回の
萬劇場ショートストーリーコレクションへは、地元大塚の代表として、初めて創設された地元枠からの出演です。我々のパフォーマンスの結果が、この地元枠のあり方、今後の団体選定基準などを大きく揺るがす要素になるとも考えられます。つまり、様々な期待が寄せられることが重圧の正体なのです。しかし、こんな重圧・期待を感じられることは、単なる苦痛ではないはずです。人生においてこれほどまでに他者からの期待を背負う機会がるでしょうか?自分の行いを注目される機会があるでしょうか?こんな機会はめったにないことなのです。むしろありがたいことなのです。そう考えることで重圧を力に変えることができるはずです。幸せを実感することで、前向きに生きられるのです。この日の稽古の〆に、主宰者からこんな言葉が授けられました。まさに、Face to Face。自分の運命や向かうべき未来に向き合うことが、己を強く育て上げるということなのです。
後は28日のワンステージにすべてを注ぎ込む、そのための準備を行うだけです。