3月の活動も最終日。今年度の締めくくりとなりました。午前中の制作部は先週に引き続き、公演後恒例の床掃除を実施しています。稽古や荷物置き場としてお世話になっている事業所のフロアを重曹を使って磨き上げました。「床に(景色が)映り込んでる!」と、丁寧に作業した成果に一同感動の声を上げていました。並行して行われた衣装の整理では、保存しておくものと、さすがにもう処分だろうというものの選別を行いました。処分対象のものの中でも、あまりにも汚れて(意図的に汚して)いたり、老朽化が激しくて使えないと思われるものは完全処分。そのレベルではないものは内輪のバザー対象品という扱いにしました。
片付けが終わってからはそんな過去の衣装のバザーが行われました。「これはあのときのあの人の衣装だ~」「あの頃はこのサイズだったんだ!」と思い出と現実を味わいながら、団員たちは部屋着として使えそうなものを中心に買い取りの希望を挙げていました。途中からは「これ着てみてくださいよ」というリクエストから始まるファッションショーのような展開に。意外な組み合わせが面白かったり、予想通りに似合っていたり、「絶対競馬場にいそうですよ、こんな人」「赤鉛筆持ってきて!」と、即興芝居でも始まりそうな勢いに発展することまでありました。何にせよ、活動を続けるうちにどんどんたまっていく過去の遺産を、ある程度有機的に整理することができました。

午後は5月のイベント「
ハートランドチャレンジFES2018(仮)」に向けた稽古でした。前回は役の感覚を取り戻すための即興芝居を中心に行いましたが、本日は劇中に登場予定のダンスシーンを中心に行いました。ダンスシーンを中心に行うとなると、雰囲気はいつも以上に体育会系の部活のようになります。イベント会場の規模に合わせて、揃えるところは揃え、自由に表現するところは思い切り自由にというメリハリが強く意識された練習になりました。踊っている人自身も、それを見ている人からも「それ!それ!」と掛け声がかかって、踊りの動きと気持ちの盛り上がりが一つになるようにしていました。


また、この日は
第19回公演「
影の舞台」で生み出された黒字分の還元も行われています。団員たちにとっては自分たちが一生懸命稽古をし、準備をし、チケットを販売した成果が還元されるうれしい瞬間です。額面は決して大きなものではありませんが、自分たちが仕組みの中で与えられたのではなく、自分たちで何もないところから創った舞台で得られた成果、それが単なる概念的なものにとどまらず、物理的に還元されたことの喜びは、何物にも代えがたいことでしょう。この成功体験を受け取りつつも、団員の中からは「みんなが元気でいるのが当たり前だと思っていたけれど、今回はいろいろなことがあって、実はこうやってみんなが揃っていられるのって奇跡的なことなのかもしれないですね」「みんなでやっているのが当たり前って感じなっていて、でも、いざという時にもっと助けられるようにならないといけないんだなと思いました」と、改めて公演を振り返る声も聞かれました。「だからこそ、いざという時にお互いに支え合えるように、自分がやれることを後回しにせず、やれることはしっかりとやっておく必要があるんですよ。そうすれば、誰かが困っているときに支えることができますから」と、総監督からもフィードバックの一言がありました。今回手にした成果が次の舞台の、そしてその人が明日を生きていくための大きな力になるのです。