2月8日の「影の舞台」です。

Posted by theatreminori on 09.2018 稽古レポート
2月6日のイベント公演も無事に終了し、休む間もなく「影の舞台」の稽古が始まりました。そんな2月8日(木)の様子を紹介しましょう。

午前中の制作部は関係機関や関係者などに送付するダイレクトメールの発送作業を中心に行っています。団員が個人的に関係があったり、かつてお世話になった支援者などにも、独自の手紙をしたためて、公演の案内をお届けすることにしています。発送相手のいる団員は不慣れな手書きの手紙ながらも、自分の思いや演劇の楽しさを伝えるような文書を便箋に書き込んでいました。出来上がったダイレクトメールは団員が郵便局へ持ち込み、無事に発送されました。

編み物系のグッズ担当者は引き続きグッズ作りを行いました。その作業中、K&Kブランドを手掛ける我らが大女優が「ラジメをここに入れておくね」と周囲に申し送っていました。聞いたことのない単語に首を傾げる一同。「ラジメとは何か?」と確認すると…「わかんない。私がテキトーに言った」という想像以上の返答がありました。さすがは大女優です。

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午後の稽古では冒頭でお知らせした通り、久し振りに第19回公演影の舞台」の稽古を行いました。この日は体調不良の役者が数名いたため、全員が揃うことはありませんでした。シーンを選んだり、セリフだけでも代役を入れながら稽古を進めています。つい3日前まで「ボーダーライン45分改編版」に集中していた役者たちは、気持ちやコンディションの切り替えに不安がありましたが、思いの外「影の舞台」モードに切り替わっていました。少々セリフが怪しい場面もあったものの、大きな筋を踏み外すこともなく、脚本を見ていなければ、大きなセリフの間違いをしていることは気付かれない程度のできでした。

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そんな中でも大幅にセリフを飛ばしてしまった役者が、そこから何とかつじつまを合わせようと挟んだアドリブで「お前にその資格があるのか!」と断言しようとしたつもりが、「お前にその資格があるくのか!」と噛んでしまう玉突き事故が発生する場面もあり、対峙した役者たちにとってはある種の試練の時が度々訪れていました。そんなミスを一同で笑って受け止めると同時に「この言葉をきっかけにすれば、間違えずにこのセリフが出てくるはずですよ」「変に動揺しないで言い切っていいです。周りで何とかします」などと、対策とサポートの振り返りも行っています。誰かのミスをただ笑って終わらない、有意義な稽古になっていました。

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演出からは形式的なポジショニング、動線の確認以外にも、この状況でこの人物は何を考えているのか?そもそもどういった動機付けを強く持っているのか?といったディスカッションが投げかけられるシーンが多く見受けられました。ひとつひとつの動作や発言にどんな意味が、どんな動機があるのか?時々子の確認を行っていくことで、演じている本人も気付かない一瞬の表現と人物の一貫性のずれを発見し、どう修正すればいいのかを考え、何らかの答えを提案し、再び演出からの問いかけに応じるというやり取りが生まれます。こういったディスカッションをする中で、役者たちも「あ!そうか!」「自分でも最初はそういう方向性でやってましたよね」「確かに、ここでそうやればもっとこのキャラの魅力を見せられますね」「それだったら、こういうやりかたでもいいですか?」などの、新しい発見を得ることができます。そういった確固たる根拠に基づいた表現にこそ現実味が宿るのです。演劇の稽古とはどんなことをやっているのか疑問に思う方も多いでしょうが、てあとるみのりでは技術的なこと、形式的なことよりも、こういった内面的、本質的な要素を磨き上げることに多くの時間を費やしています。

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影の舞台」公演まで残す稽古もあと3回。久し振りの稽古で至らなかった部分を各自が改善、成長させて、次週の稽古に臨んでくれることでしょう。様々な生活の課題も抱えながら、団員たちは自分を奮い立たせてこの作品に挑んでいます。