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12月7日の「影の舞台」です。

Posted by theatreminori on 07.2017 稽古レポート
12月に入って2週目。年内にある程度の到達点を目指すため、制作部も稽古もどんどんスピードアップして進捗しています。団員たちは準備してきたものを週1回の活動時間の中で発揮するため、集中しながら取り組んでいました。

午前中の制作部は、引き続きグッズ作りを分担して進めています。定番になりつつあるプラ板アイテムはデザインと着色、カットまで進んでいましたので、本日から焼きと仕上げに取り掛かりました。3月公演用のグッズとして時間を逆算すると、過去最速の進捗状況になります。順調すぎるほど順調です。

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大女優が手掛けるK&Kブランドの編み物系のグッズも複数の完成品が仕上がっています。手作りゆえの個体差が生じてしまうのは仕方ないことかもしれませんが、その差をどこまで商品として許容するのかが問題になります。この日も…
制作 「これじゃあ大きすぎて売れないよ」
女優 「大は小を兼ねると思って」
制作 「糸をほどいて決められた大きさに作り直してほしい」
女優 「えー!やり直すの?冗談じゃないよ~」
…といった議論が交わされていました。結果としては趣味で作った商品をお情けで買ってもらうというのは劇団の趣旨に反するということで、大女優も作り直しを受け入れました。編み物に限らず、頑張って作ったアイテムであっても当初のプランからずれてしまったり、望んでいた品質に到達していなければ、一からやり直しです。自己満足ではなく、お客様に販売する商品を作るという責任とプライドを持って、グッズ作りに臨んでいます。

午後の稽古は第19回公演影の舞台」のシーンごとの稽古を行っています。先週は前半を中心に行っていたので、今週は物語の中盤から後半の盛り上がりを確認しながら稽古しています。物語が核心に近付いてくるシーンの連続でもあり、役者たちの演技にも熱が入ります。ただし、その温度差にはまだばらつきがあり、ひとつのシーンとしてまとまり切っていない印象もありました。もちろん演出からはその指摘と修正方法の提案があり、早速そのテコ入れに応じた稽古を繰り返しています。

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当然のことながら複数の役者が出演している舞台では、それぞれの人物にそれ相応の見せ場というものがあります。自分の演技に没入し過ぎることで、こうした舞台の構造を見失って、とにかく一生懸命演じてしまうケースがあります。こうなると、本来引き立たせなければいけない相手であったり、その後に控える自分自身の見せ場の印象を薄めてしまうリスクがあります。演技を構築していくときには、局面だけの感情や動作を追い求めるのではなく、包括的に物語全体を考慮しなければいけないのです。まさしく、ひとりひとりが演出家のような視点を持たなければいけないということです。

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12月末で一度通し稽古を行い、1月には「影の舞台」を少し離れて、2月6日のイベント公演に向けた「ボーダーライン」の稽古に入る予定です。早めの進行で作品を仕上げていかなければいけませんので、稽古時間以外に各自がどれだけ様々なことを考えて演技の質を高めてくるのかが問われます。セリフを覚えるという形式的な問題ではない、もっと奥が深い準備を各自が行っているのです。意味が違うかもしれませんが、これも一種の「影の舞台」です。

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