7月13日の「ボーダーライン」です。

Posted by theatreminori on 14.2017 稽古レポート
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第18回公演「ボーダーライン
8月4日(金)~6日(日) 北池袋 新生館シアターにて

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連日暑い日が続く関東地方。皆様はお元気にお過ごしでしょうか?団員達も夏バテ気味になったり、体調を崩す者がちらほらと見受けられるようになりました。もちろんそれを理由に稽古や制作部の活動の手を抜くようなことはなく、公演までの残されたわずかな時間を精一杯活用しようと取り組んでいます。

さて、そんな7月13日(木)の午前、制作部。グッズ作り、衣装作り、役者アンケート(パンフレット用)の記入、衣装の整理など、様々な業務が並行して行われました。それぞれが担当していることに集中していました。その一方で作業に必要な道具を忘れてきたり、事前にこうしようと打ち合わせていたことがなかなかできなかったりする団員もいました。本番が近付き、緊張感があるのでしょうか?それとも疲労が出ているのでしょうか?はたまたあと一息というところで油断があるのでしょうか?普段ではスムーズにできることが、妙に遠回りになっているように感じます。そんな状態でも落ち着いて、いつものように作業・活動できるように、まだまだ精神面を鍛える余地があるようです。

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公演当日のパンフレットに掲載される団員たちのメッセージは、いつもアンケート形式で集約しています。団員によっては思いの丈を用紙いっぱいに綴ってくる団員もいます。その一方で、考えていること、感じていることを言葉や文字にして表現するのがかなり苦手(意識というレベルではなく脳の器質的な特徴として)な団員もいます。そんな団員も約2時間の制作部の間、一生懸命文章を考え、数行の文字を綴りました。劇場でパンフレットをご覧いただいた際に、団員によってメッセージの量に差があると感じることがあるかもしれませんが、その背景にはそれぞれが同等に思いの丈を皆様に届けようと心を込めていることを、少し想像していただけると幸いです。

午後の稽古でも、お互いに公演までの残り時間がわずかであることを再認識しながら取り組む姿が目につきました。いろいろと辛いことも多い日常ではありますが、そんなことに足を引っ張られているようではお客様を感動させる非日常は創り出せません。団員たちは仲間の頑張りを己の頑張りの糧としながら、自分の体と心に鞭を入れて、稽古に臨んでいるようでした。

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この日も演出から随所で改善すべき点が伝えられています。中にはセリフの構造を変更する必要がある箇所もありました。思うように演技ができないのであれば、やり方を変えてみる。最終的に芝居の品質が向上するのであれば、それも必要な対処です。もっとも、役者がしっかりとその変更をものにしてきてくれなければ、どんな対処も水の泡になってしまいます。先週申し伝えたことが十分に反映されていない、身につくまで練習されていなかったことに対して、演出から厳しい指摘がありました。「変更されたばかりだからできなくてもまあいいやという甘い考えがあるから必死に練習して仕上げてこない」「より簡単にできるようにしたのに、それさえやれないのであれば、後はもうセリフを、シーンをカットするしかない」。突き付けられた勧告に、役者がどう応えるのか?次週の稽古は正念場です。

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また、この日時間をかけて役者たちに説明された演技の仕組みの中には「感情がセリフを言う瞬間に湧き出てくるわけではない」という言葉がありました。「怒るセリフだから怒る」「イライラする演技をするから、このセリフをイライラして言う」という感覚で演じていては、いつまで経っても感情が演技・言葉に入って来ません。我々の日常を考えればすぐにわかることです。その瞬間に怒っているのでも、その瞬間にイライラするのでもなく、その感情に至る怒りやいら立ちの蓄積が存在するのです。朝、嫌なことがあってイライラしていたので、普段なら気にならない声掛けや態度に対してかっとなって怒鳴ってしまう…。そういった感情の抑制と飽和があるからこそ、内面ではなく、外側に人間の感情が表出するのです。つまり、表に出るものだけが感情ではなく、それは常にそこに存在しているのです。演技に感情を込めるには、その構造を構築しなければいけません。目の前の出来事の積み重ね、交わされた言葉の積み重ねから、人物の内面に揺れ動く感情があり、あるきっかけで一気にそれがあふれだす。そうしなければ、本当に伝えたいメッセージも、人物の生き様も伝わりません。まだまだその演技の本質の理解と実践ができていない未熟な役者が多い団体です。それでも、諦めることなく、様々な例えや実演を交えながら、稽古の中で指導が繰り返されています。少しでもその成果をお届けできることを願って。

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