公演まで残すところ2ヵ月!活動日だけカウントするとあと8回しかありません。相当なペースで各種作業を煮詰めていく必要があります。
そんなシビアな状況の中、午前中の制作部では先週から引き続いてのグッズ案「宿題」検討を行いました。宿題というのは、ある団員が持ち込んだちょっと奇抜なグッズ案について、なんとか活用する方法がないかを考えて来ようというものです。果たして販売できるのか?そもそも製造するスキルとコストはどうなのか?販売する以外の活かし方があるかもしれない…などの観点から意見交換が行われました。何もないところから考えるのも大変ですが、ひとつのお題に立ちして様々な可能性を考えることもなかなか難しいものです。こういった発想のトレーニングは、物を創る、演技をするといった演劇の要素にも反映されそうです。

その後はひたすら製造中のグッズを仕上げていく作業です。同時進行で衣装作り…と、先週までと同じような光景でした。しかし、中身は着実に充実してきています。グッズも衣装も、公演日までにどのような仕上がりになるのか、楽しみなところです。逆に言えば、この段階でしっかりと作業を進めておかないと後で行き詰り困ってしまいます。作業中に誤って見本用のタグが付いた素材を使ってしまうひとコマもありましたが、発見が早かったため事なきを得ました。こういった失敗もありますが「これはずっとネタにされるね」とお互いに笑顔で修復し、繰り返さないように気をつけ合うようにしています。公演が近付いたシビアな空気の中でも、団員同士がいいコミュニケーションを撮り合っている印象です。
午後の稽古では今回も劇中に登場するダンスシーンの練習を行っています。一見すると簡単そうな動きも、実際に動いてみるとなかなか再現が難しく、また、思った以上に疲れるのがダンスならでは。何回か続けて踊っていると息が切れ、汗が流れてきます。それでも団員たちは不慣れな動きに四苦八苦しつつも、「もう一回お願いします」「音響を録音してもいいですか?」などと積極的な姿勢で繰り返し練習を行っていました。まだまだ熟練度は低い状態ですが、今回のダンスはこれまでお届けしたものとは一味違うテイストになりそうです。

演技の稽古も出席している団員の顔ぶれに合わせて実施しています。なかなか役の特徴が安定しなかった役者も、繰り返し稽古する中で、ひとつの突破口を見つけたようです。もちろん、まだまだ理想的な形に仕上がっているわけではありません。今回つかんだきっかけを生かして、より登場人物の生き様を表現できるように、さらに役者の個性が生きるような方向性で研究と鍛錬を重ねてきてもらいたいところです。演出からも具体的に「このシーンの前にいろいろあった上でのセリフであることを考え、その思いを相手もよく受け止めてほしい」「単体だけでもインパクトがあるが、周囲が正しいリアクションをしっかりと取れれば、より印象を強くすることができる」「このセリフの構造は、もちろん人物としては自分の目的にストレートな面もあるが、観客にはまだその目的がわからないはず。その両面から受け止められる大事なセリフです」などなど、様々な角度から具体的なヒントが出されていました。


そんなこんなで、本日は18時30分で活動終了となりました。今月中には通し稽古を実施する予定です。脚本を手放すかどうかは演出からの指定はありませんでしたが、これは逆に言えば、「言われなくてもわかっているでしょう?」というメッセージなのかもしれません。各自が隙のない準備をしてこなければ、稽古にならない段階に差し掛かってきました。いよいよ
ボーダーラインです。