例年より遅めの桜が花開いた4月。5月13日(土)に開催される「ハートランドチャレンジフェスin大正大学」にて上演予定の、
第17.5回公演「そこから始まる物語(ストーリー)」へ向けた準備が着々と進行しています。制作部では情宣アイテムの製造と、グッズの材料の買い出しが、午後の稽古では脚本を使用しての本格的な稽古が始まっています。
制作部では編み物系のグッズを製造する際に使用する毛糸の買い物に、一部の団員が外出しています。午前中はとても天気が良く、外出した団員たちは「お茶を飲んで帰りたいね」「こんないい天気の日に仕事なんて…」と、後ろ髪を引かれる思いで任務を遂行していました。一方で残った団員は、5月のフェス公演で第18回公演の宣伝をするための横断幕アイテムの製造を進めています。文字を入れるだけではなく、パッと目を引くオブジェの貼付も検討しています。果たしてどのようなアイテムに仕上がるのでしょうか?

午後の稽古では、先日の公演の際に取材を受けた、東京ボランティア・市民活動センター様が刊行している「ネットワーク」という情報誌の4月号が完成した報告がありました。もちろん、てあとるみのりを中心としたハートランドみのりの記事が掲載されているものです。団員たちは実際の誌面を目にして「(写真に)写ってる!」「こんなにページを使ってもらえるなんて」「これで興味を持ってくれる人が増えるといいですね」「ありがたいことです」などと、感動をあらわにしていました。
そこからウォームアップを挟んで、
第17.5回公演の稽古です。まだ先週配布されたばかりの脚本ですので、まずは脚本に描かれている状況をよく確認し、全員で共有しながらの稽古となりました。自分に関わるセリフ以外のところはついつい読み飛ばしてしまいがちな脚本ですが、全員で検証してみると「ここってみんな舞台にいるんですよね?」「このタイミングか」「確かに書いてありますね」「どっちから入った方がいいですかね?」などと、新たな発見と新たな疑問が見つかります。

公演を行う会場がいつもの小劇場よりも広いということなので、大舞台向けの演じ方への切り替えにも取り組んでいます。通常の距離感で行われる会話をそのまま表現してしまうと、大きい舞台では演技も小さく、表情は読み取れず、セリフも客席まで届かないという悪循環に陥ってしまいます。演じている側が感じる距離感よりも、スケールを数倍に広げつつ、客席にメッセージを届けることを意識しながらの大きい演技が必要です。ある意味わざとらしく、わかりやすく全身を使って表現していかなければいけないのです。この演技のスタイルの切り替えには、どの役者も苦労していました。

17.5回公演に参加が決定している学生の団員も、予定の合間を縫って稽古に参加してくれています。なかなか全員が揃う機会が少ない状況は相変わらずですが、空き時間にお互いにセリフのやり取りを練習したり、アイディアを交換したりしながら、あとはそれぞれが稽古場を離れてからの1週間で磨き上げてくるという仕組みで品質を向上させていきます。この作業を行うことで、次回の稽古の品質が高まり、量を補う質が生まれます。その延長に公演の品質があるとも言えます。お互いに努力を体現し、刺激を与え合い、支え合いながら、次の稽古の時間を迎えなければならないのです。
