2月に入りました。いよいよ公演が始まる2月です。稽古も制作部も最終局面を迎えました。そして本日午後には通し稽古が予定されています。初の通し稽古です。どんな展開になるのか、午前中やお昼から落ち着きのない雰囲気が漂っていました。
そんな中で行われた制作部では、通し稽古に少しでも間に合わせるために衣装の確認と製造が急ピッチで進められました。公演前なので作業の様子を紹介できませんが、実際に着た状態で縫い付けなければいけないパーツもあり、マネキン役となった役者が「くすぐったい」「うわ~」と笑いながら動かないように頑張っていました。また、毎公演販売してご好評をいただいているキャラクターしおりも順調に製造が進んでいます。今回はどんなキャラクターがデザインされているのかお楽しみに!
そして午後の稽古のメインは通し稽古です。衣装やメイクを各自で準備し、ウォームアップは集まれる人で実施しました。こういった準備を行っていると、いよいよ本番間近という実感がわいてきます。役者たちの緊張感も一層高まっていたように感じました。

通し稽古を前にして、先週不在だった役者への申し送りが自発的に行われていました。何年か前にはこういった当たり前の気遣いができていなかった団員たちですが、今ではすっかりそれが当たり前になっています。相手役が状況をつかめていないということは、自分自身も困りますし、何より芝居全体の品質を損なってしまうのですから、このような手間をかけることも必要なことなのです。その為にも稽古で演出から伝えられたこと、新しく決まったことは、自分の事だけではなく、全体を含めて理解しなければいけないのです。

このような準備を経て、いよいよ初の通し稽古がスタートしました。役者によって力が入り過ぎている人、逆に集中しきれていない人と、コンディションに大きな差がありました。全体として共通して言えることは「ひどかった」ということです。これは演じた役者たちも実感しており「やってしまった…」「どうにもならなかった」「全然だめでした」と反省の弁ばかりがあがってきました。

演出からはその要因が「準備不足」であると指摘されました。先週も必要な準備を必要な容量行うことの意義が説かれましたが、今回のバラバラになった中身のない演技のオンパレードに対しては、明確に「準備不足」が当てはまります。各自が「やってきた」と主張する準備が、結果的には全く足りていなかった、あるいはまったく方向性の異なる準備をしてしまったことに他なりません。妥当な準備を必要な量だけ実施していれば、こんな結果にはならなかったのです。稽古で改善を求められたことも改まっていない、褒められた点はそのまま放置で劣化させてしまっている。これではいつまで経っても芝居の質が向上しません。この点は「まだまだやるべきことがある」という動機付けの再確認につながったので、唯一の収穫といえるでしょう。

通し稽古を実施するのは来週の稽古で最後の予定です。あまりにもバラバラで間の悪かった芝居を終え、役者たちはショックを隠せませんでした。しかし、そんなところで立ち止まって落ち込んでいる場合ではありません。役者たちの誰もが奮起して、その後のテコ入れ稽古に臨みました。もっと強くイメージを持ち、集中し取り組むことで、演技の質は劇的に改まりました。部分ごとにできることを全体のイメージの中に落とし込めるかどうか?次の通し稽古、その先の公演までに少しでもこの課題をクリアしていかなければいけません。自分のセリフがどうのこうのとか言っている場合ではないのです。

躓きながらも少しずつ、舞台の完成度を高めている段階ではありますが、ここからの3週間で必ずひとつの舞台にまとめ上げてみせます。誰もがその決意と覚悟を胸に秘め、この日の稽古は続いていきました。とにかく我々は少しでも前へ進むために、歯を食いしばって頑張るしかないのです。お客様を楽しませるため、自分自身が納得するためであれば、その労を惜しみはしません。
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