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1月5日の「TRIGGER」です。

Posted by theatreminori on 05.2017 稽古レポート
改めまして、明けましておめでとうございます。本年もてあとるみのりをどうぞよろしくお願い申し上げます。

と、いうことで、2017年最初の活動となった1月5日(木)。午前中の制作部から団員たちは充実した表情と意欲で自分の作業に取り組んでいました。この日はやるべき作業の分担を決め、それぞれが自分の担当作業に集中して向き合いました。グッズ作りもこれまでは1種類を全員で取り組んでいたのですが、この日から複数のグッズが同時進行となり、より個人の作業の精度が求められるようになっています。デザインの品質改善のため、周囲の団員に率直な意見を求めて修正を加えていく団員の姿もありました。また、お客様・関係機関へのダイレクトメールの発送準備も進めました。フライヤーを所定の枚数確認して封入、あて先のラベルを封筒に貼っていくという流れ作業です。気持ちと手を抜くことなく、担当者は何回もフライヤーの枚数を確認していました。完全に分業となったことで、同時にあちらこちらから仕上がりの確認を求める声が上がることもありました。年が明け、一気に慌ただしさが増してきた制作部です。

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午後の稽古は年末の稽古で申し送られた個々の課題に挑んできた役者たちの、準備の成果の見せ所でした。昼休みの段階から自分のセリフや動きの確認をする姿が多く見られ、この日の稽古には特別なモチベーションで臨んでいることが伝わってきました。ウォームアップの盛り上がりもいつも以上に感じられました。

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実際の稽古でも各自が作ってきたイメージを一生懸命に披露する役者たちの姿があり、序盤は順調に進行しました。その中で演出から「全体的に○○○なカラーにしよう」との提案が、いくつかのシーンに授けられました。役者たちは「え?○○○ですか?」との戸惑いを見せつつも、すぐにそのイメージに近付けて修正した演技を見せてくれました。セリフや個々の感情の部分の完成度が高まっていたため、こういった表現方法の微妙な変化にもすぐに対応できたようです。逆にこのようなアレンジが加わったことで「こっちの方が感情が乗せやすかった」という感想も聞かれました。

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後半では、昨年最後に行って、なかなか質が伴わなかった問題のシーンを稽古しました。どの役者も年密に準備をしてきたようで、ある種の特別な思いを抱いて臨んだようです。その思いが強すぎたのか、1回目の演技は質が伴わずシーンの途中でストップがかかってしまいました。てあとるみのりの稽古では予定していたシーンを途中で止めることは滅多にありません。それだけ出来が良くなかったのです。すぐに演出から問題の根源が指摘されました。それは個々が己の中だけでイメージを作り、準備してきてしまったことです。結局、相手役とひとつになってひとつのシーンを作れていない、相手の存在をイメージしきれていないということです。相手がどんな存在であるのかを表現するためのイメージが足りなかったのです。たとえば自分の中だけで「相手は怖い存在だから驚く」と強くイメージしても、感情の矛先は自分の中だけで、相手から受けている物も、相手に向かって返している物も存在しない、噛み合わない演技になってしまうわけで、今回の質の低さはまさにこの現象がお互いに積み重なった結果でした。

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自分の役の質を高めるには、相手の役への意識、存在の受容や理解が必要です。相手を知ることで、自分がなぜそのような感情を抱くのか、相手のことをどう思っているのか、そういった価値観を持つ自分は何者であるのかを理解できます。一口に相手のことを考えると言っても、その背景にはこれほどまでに深い視点が求められるのです。この日の稽古では、そんな大切なことを再発見できました。役者たちはしっかりとこの反省と学びを生かして行ってくれることでしょう!