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7月14日の「宴もたけなわ」です。

Posted by theatreminori on 15.2016 稽古レポート
第16回公演「宴もたけなわ」
8月5日から北池袋 新生館シアターにて上演!

チケットご予約フォーム→こちら
公演情報特設ページ→こちら



今週と来週21日の活動は、通常19時から開始のT.M.Evolutionと完全融合した特別稽古です。公演まで3週間ほどとなり、チケットの売れ行き以上に気になるのが芝居の中身。その底上げと仕上げを図るための、長時間稽古を敢行することになったのです。



午前中の制作部はいつものようにグッズと衣装の製造を進めました。特にこの日はグッズの最後の仕上げを行っています。デザインに時間をかけたアイテムが次々と形になっていく光景からは一様の達成感を得られるものです。あとはこれをどれだけ売れるか、お客様に買ってもらえるような高揚感を与えることができるかどうかが気になるところです。ちなみに、今回のグッズラインナップは、毎公演ご好評をいただいているキャラクターをデフォルメしたデザインの「キャラクターしおり」、こちらも毎回売り切れとなっている「トートバッグ(A4サイズに加えてランチボックスサイズもご用意)」、手編みのジョッピー、カラフルな花模様などが縫い付けられた「スペシャルトートバッグ」、新しいデザインになった「ジョッピー根付け(第16回公演のナンバー入り)」を予定しております。近日中にグッズの画像も掲載いたしますので、お楽しみに!

さて、そして午後には夜まで続く特別稽古の幕開けです。参加した役者たちは衣装とメイクの確認を行ってから、そのままの姿で稽古に臨んでいます。普段の稽古には動きやすい服装で臨む役者たちは、衣装によって動作が制限されたり、同じように動くと問題が発生する可能性を検証しながらの稽古になりました。また、公演時に予想される暑さを体感することで、本番に向けてのコンディション調整、直前の対策、公演後の対策などを、それぞれが意識するための時間でもありました。

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演出からも、先週の通し稽古で浮き彫りになった課題や改善点に、具体的な対処の指示がその根拠と共に出されました。いつもの稽古よりも時間があること、公演直前の最終テコ入れであることから、かなり細かい部分まで演出の手が入っています。役者にとっては充実した稽古だったのかもしれませんが、演出からは「本来はこういったことを役者自身が考えて、どんどん実践してくれないと困る」「いつまで経っても表現してくれないから、ヒントではなく答えを示されていることに気付いてほしい」と、手痛い言葉で釘を刺されてしまいました。しかし、ここまで踏み込んで現実であったり、到達すべき水準を示されるのも、特別稽古ならではなのかもしれません。

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演出以外の面で、衣装とメイクを施したことで、役者たちはこれまでよりも現実的に自分の役の雰囲気を感じることができていたようです。気分が乗るというか、よりその役の人物に変身できているという感じです。先週実感した音楽による相乗効果に加えて、一種のコスプレの力を、改めて知ることができました。一方で、そのような衣装を身につける、メイクをするといった行動を、他人任せにしてしまっている役者がいたことも事実です。てあとるみのりには専門のメイクスタッフはいません。全員が役者と掛け持ちで裏方も手掛けています。そんな状態で、自分は何もせず、誰かにやってもらうだけというのは通用しません。この日は、一念発起し、初めて自分でアイラインを入れてみた役者がいました。もちろんキレイには描けませんでした。アイラインが眉毛のようになってしまいました。しかし、自分でやってみようと行動したことは非難されるものではありません。そんな勇気と努力から、新しい発想が生まれるのです。

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13時の稽古開始に間に合うように来るという約束だった役者がなかなか姿を見せず、こちらからの連絡と説得で「今から行きます」と、その気になってくれたという出来事もありました。奇しくも、15時過ぎから激しい雷雨に見舞われたこの日。その団員への因果応報というわけでもないのでしょうが、見事にずぶ濡れになっての到着となりました。紆余曲折はあれど、そんな嵐の中、大遅刻ではあっても駆けつけることができたことは、その団員にとっても、周囲の仲間にとってもとても大きなことだったように感じます。

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役者たちのほとんどが、今の段階でも役作りに苦悩しています。己の類似した衝動を引き出して爆発させる者、あえて目を背けて上辺の表現でごまかそうとする者、それぞれの対処はしているようですが、いずれも、結果には結びつかない、独りよがりのパフォーマンスに過ぎません。演出から表現や思考の根拠を求められても何も答えられない…。つまり何も中身がない、言動に根拠・動機がないまま、ただ脚本にかかれているから口に出している、演出に指示されたからそのように動いている、己の感情をそのまま発散して表現した気分になっているだけの役者は「役者」ではありません。公演直前の稽古の中で論ずるようなレベルの話ではないのかもしれませんが、まだまだてあとるみのりの役者たちは発展途上です。自分自身も、そんな己の課題を何度も突き付けられ、把握しているのですから、そろそろ真に向き合って、本気で克服すための努力をしてもらいたいというのが、この日の特別稽古で演出から届けられた最大にして核心のメッセージだったのかもしれません。