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4月14日の「宴もたけなわ」です。

Posted by theatreminori on 14.2016 稽古レポート
午前中の制作部では衣装のこととグッズのことを交互に話し合う展開となりました。基本的にはグッズ案、改善してきた試作品の検討を行いながら、衣装案を作りなおした役者の来所に合わせて、その都度試着を行い、裾の長さ、着こなし、見せ方などを検討しました。グッズは順調に進行しているものと、少々行き詰まり感が出てきたものに分かれています。次週から製造に取り掛かれるものがある反面、もう一度コンセプトとデザインを見直す必要があるものもあります。グッズのラインナップ確定が再来週ですので、仕上がりが遅い案は生き残りをかけた正念場です。

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衣装案は試着をしながらの検討です。「もっと上にしたら?」「いや、このままの長さで行きましょう」「この色はどっちがいいですかね?」「まだそれは残しておいてください」「裾の長さを確認するために仮縫いしてきましょう」などなど、マネキンと化している役者の周囲で様々な意見交換が行われました。役者の中には「はぁ~疲れちゃった~」と思わずため息を漏らす者もいましたが、これはまあ、大女優のわがままということで、一同笑ってやり過ごし、そのまま衣装合わせを継続しています。

午後の稽古では何名かの役者に絞って、役作り、演じ方などの深い部分まで掘り下げた練習が行われました。徐々にキャラクターのイメージが固まってきている役者もいれば、なかなかつかみ切れていない者、イメージを表現する方法に苦慮している者がいます。そのギャップを少しでも埋めるためのテコ入れともいえる稽古でした。そのため、いつもより回数を多く同じシーンの稽古を行っています。繰り返して演じるうちに、セリフの入りが悪かった役者も安定してセリフを発するようになりました。ただし、舞台上でこっそりと脚本をカンニングしていましたけれど…。こんなことをばれないようにやってのけるのも役者のスキルでしょうか(ばれてましたけれど)。

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役を作っていくとはどういうことなのか?どうしても脚本を読む際に、自分のセリフと直接(表面)的な相手役とのやり取りだけからイメージを膨らませてしまうことがあります。この方法では物語の中で本当に必要な存在を演じることはできません。その物語全体に流れるテーマ、お客様へのメッセージを深く読み取ることで、そのために必要な人物の役割が見えてきます。そのために表現の仕方、人物像の構築を行うのが役作りです。そういった観点から、まだまだ読み込みが甘い役者もいたのは事実ですが、本日の稽古で指摘されたこんな話を受けて、改めて脚本、物語、人物を見つめ直し、ギャップを埋めながら品質を向上させていくことでしょう。