通し稽古を経た直後の活動は、いよいよ本番をにらんでシビアなやり取りが交わされ始めた印象です。制作部では順調に開発が進みGOサインが出たアイテムもありましたが、まだまだ全体としては停滞気味です。まあ、これは時間的にはまだ余裕があるので大きな問題ではないのですが、難航しているのが衣装とチラシです。衣装に関しては本日演出を含めて検討し、現在のプランの半分以上が再考になっています。まだまだ役者の演技と脚本の中の人物と衣装のイメージが合致できていないのが最大の問題です。
一方のチラシ(フライヤー)は、ついにデザインが確定し、本日入稿となりました。時間と試行錯誤を重ねて到達したデザインは、次週9月3日(木)にお目見えします。もちろん、様々なコンセプト、テーマと関連した表現がなされていますのでお楽しみに。稽古前には制作からデザインに関するプレゼンが行われました。どこかの劇場のマークに似ているとか、ケチがつかないことを祈りましょう。

制作によるプレゼン。デザインがまとまったことの安堵感がうかがえます。
午後の稽古ではこれまで役作りのきっかけをつかめずにいた数名の役者が、一気に成長を遂げました。もちろん、それには秘密があります。演出は通し稽古を生で見ただけではなく、その後もVTRで細かく分析、それぞれの役者の演出ポイントを的確に指示したことが大きな効果をもたらしていました。稽古に向けて膨大な時間と労力を割くのは役者だけではなく、あるいは役者のそれを上回る準備を常々しているのが演出と呼ばれる人間の役割なのだと、改めて実感できる稽古でした。とても充実した、大きな手ごたえを得られる時間でした。この感覚は後からどうにかして取り戻せるものではありません。芝居は生ものですから、その瞬間こそすべて。「また今度」はありませんので。

通し稽古を経て意識改革があったかのように、発声練習から本気モード。

代用の小道具を所持する役者もチラホラと出てきました。

すでにほとんどの役者が脚本を手放しています。

セリフではなく、表情や動きの質をを追求し始める役者もいます。

次第に表現の幅が広がってきました。

緊張しつつも集中した表情が垣間見えるようになりました。