気が付けば既にカレンダーも12月。2014年の終幕が近付くと同時に、第14回公演のその日も近付いてきました。そんな本日、12月4日の活動内容を紹介しましょう。
午前中の制作部では、少しずつ本格的な話し合いが始まっています。この日は稽古でなんとなく形が見えてきた物語から、衣装や小道具のイメージを出し合いました。「もしあの人があの役をやるなら」「この方がイメージに近いのでは?」など、様々な観点から仮説を立て、試しにイラストにしてみました。こうして今までと違った視点から物語を見つめてみると、気付かなかった面白味が見えてくるものです。脚本の熟成と比例して、衣装と小道具の案も深まっていくことでしょう。また、チラシのデザインについても、イメージの話だけではなく、実際に素材を集めるのにはこんなサイトがあるという情報も交換されました。既存の物をそのまま使うだけではなく、うまく組み合わせたり加工して活用できると望ましいのですが、そのためには深いイメージの投影と形成が必要になります。さて、どこまで高められるでしょうか?
午後の稽古では、改めて基礎訓練、特に発声練習の重要性が伝えられました。どうしても形式的になってしまい、滑舌をよくするための早口言葉を重視してしまう役者たちに、早口だろうが何だろうが、声が出ていなければ何の意味もないというメッセージが投げかけられました。自分たちはまだまだ演じる基礎を身に着けていない立場であることを再認識して、1週ごとの貴重な練習機会を無駄にしないように誓い合いました。早口言葉は自宅でもできますが、大きな声を出す発声練習はどこでも構わずできるものではありません。何のために、何を意識して訓練するのかをよくイメージして取り組まなければいけません。
基礎練習の後には脚本の第7稿を使った読み合わせ…というか、ほとんど立ち稽古でした。人数の関係でシーンごとに区切っての稽古になり、その都度演出から動きやセリフの修正点、こんな見せ方にしたいというイメージのレクチャーがあり、何回か繰り返して練習しています。先週までは目立った進化が見受けられませんでしたが、今週は全体がバランスよく、ある程度の意図を持ちながら演技できるようになっていました。個々の課題になっていた部分も、かなりクリアしている役者もいました。少しずつ、内容が充実してきている印象です。





まだまだ脚本から目も手も離せない状態ですが、表情の豊かさ、キャラクターの立て方への意識はかなり高まっています。2月は慣れ親しんだ北池袋新生館シアターよりかなり大きな会場での公演です。こういった意識の高まりが表現に結びつくことで、初めて大きな舞台用の演じ方になっていきます。ちょっとわざとらしいというか、やり過ぎなのではないかというぐらいの役作り、あるいは演じ方で構成しなければ、客席まで伝わりません。特にワンステージのみのイベントゲスト公演なので、わかりやすいインパクトが求められるのです。演出からは「繊細なドラマというより、アニメをイメージしてほしい」と、作品全体の雰囲気を伝えています。細かい眉毛の動き、指先の表現にこだわることより、体全体を使ったイメージの表現が優先されなければいけません。ただし、細かい部分がその全体イメージを表現する手法の一部ということも事実です。結果的には変に偏った演技をしなければいけないというわけではなく、小さな舞台でも十分に通用する基本中の基本がそこにあるわけです。
次週はいよいよ脚本が配布される予定です。これまで試作改稿を重ねてきた作品がどのような最終形態になるのか、楽しみです。役者たちにとっては、今回目指しているコンセプトを表現しきれるのか、役者そのものの基礎能力を問われる時間の開幕です。