午前中の制作部も、現在は少し緩やかに進行中です。まだ具体的な公演準備に入っているのがチラシ作りぐらいなので(それもまだ脚本が確定していないのでイメージ作り程度)、短時間で終了しています。「点と線」というタイトルから何を連想するのか?今のところ、それほどひねりのあるデザインは出て来ませんが、こうやってイメージを構築する、何らかの形にしてみるというのは、とても大切な作業です。これから先、具体的に作品が仕上がったときに、すぐに様々なイメージと融合させることができるはずです。
チラシの話以外に、本日は全員にまだ空欄だらけのスケジュール表が配布されています。とりあえず公演の日は決まりましたので、そこに向けてかなり大まかな予定が書かれているだけです。いつになったら脚本ができるのか?役者の通し稽古はいつなのか?すべては謎のままです(笑)
さて、午後の稽古では入念に基礎訓練を行ってから、新作「点と線」の第5稿を読み合わせました。本日のテーマは、このショートシナリオを初見から2時間足らずで、それなりに見ることができるパフォーマンスに仕上げること。ただ読むだけでは気付かない、舞台上で求められる動き、演出要素にまで気を使って、みんなでアイディアを検証しながら作ってみました。短時間の取り組みながらも、かなりの進化を感じさせてくれました。「このままこの役をやるのであれば…」という仮説のもとに、演じ方、見せ方の案を語る役者もいました。まだまだ試作段階のシナリオですが、モチベーションは高まっています。

今回苦労したのは何人かの人物が群れを成す、群衆シーンです。それぞれが騒然とした雰囲気の中で次々にセリフを発するのですが、位置関係、セリフと同時に発生する動きを確認しながら、時には段取り通りに、時には臨機応変にフォローし合いながら、全体でその雰囲気を生み出していきます。すんなりその空気に乗れる人と、少し考えてしまう人。役者にもいろいろなタイプがいます(てあとるみのりは特に極端です)。そんな差のある役者がひとつの群集として生きた動きをするのは、なかなか大変なことでした。それでも、少しずつ円滑な群衆が出来上がっていく様は、見ていても楽しいものでした。


実際に演じている姿から脚本に反映されていくアイディアも多々あるもので、今回のセッションでも様々な可能性を感じることが出来ました。もちろん、このままの展開、登場人物で進む保証は一切なく、一期一会のパフォーマンスになるかもしれません。現に、第4稿から第5稿の改稿では、かなり大きな場面や人物の変化が施されていました。これから先もあと何週間か、進化と変化と時に退化を繰り返しながら、物語が熟成していくはずです。