本日の稽古では発声練習、早口言葉練習、ポーズゲームという基礎練習それぞれにおける、取り組む際の留意点を再確認しています。普段繰り返して練習していると、その練習が何になるのか、演技の何に役立つのかということを忘れて、ただの慣例になってしまうこともあります。そんな気持ちで練習しても効果は反映されませんし、時間の無駄になってしまいます。時々、基本的なことを思い出し、改めてみんなで共有することが大切です。

基本中の基本を意識することで、訓練する意義も効果も変わってきますし、何よりもそんな練習風景を見ているだけで楽しくなってきます。お互いに楽しみながら成長できれば言うことなしですね。

基礎練習に続いて「点と線」の試作バージョン第4稿の読み合わせです。今回は動きや立ち位置、ト書きの間の演技に意識を持つことをテーマにしています。ひとまず立って動きながら読んでみて、動きの整理や確認が必要だと思われたシーンをみんなで拾い、調整しました。それを踏まえて改めて動きながら通して読んでみるという取り組みです。

もちろん、すべてのシーンが段取り通りに収まったわけではありません。つい先ほど決めたことがもう忘れられていることも珍しくはありません。「自分はこの辺に立てばいい」という認識だけでは、誰か一人の小さなずれを全体でカバーし、その場で再調整することができません。全体としてどう見せたいか、観客側にどう映っているのかを理解しながら、舞台の中で対応していかなければいけません。てあとるみのりの役者たちは、このセンスが不足しているように感じます。もっとセリフ以外のことを脚本から読み取っていく力が必要です。何をどう伝えたいシーンなのか?そのために何をすれば効果的か?演出に指示される前に提示できることが望ましいのです。


まだ脚本が確定したわけではないものの、何回か練習している中で、苦手とする部分、今後も課題になるであろう部分が浮き彫りになってきました。全体で早い段階から意識して、どのような脚本になったとしても、その課題をクリアした仕上がりにしていきたいところです。今の段階の稽古にも十分意味があるのです。むしろ、脚本が固まる前の方が、その都度、柔軟に考えることが求められるので、訓練には向いているのかもしれません。ひとつの形の繰り返しになると、本来根源にあるべき意味合いや関係性を忘れて、ただ覚えただけの動作になってしまいかねないものですので。