午前中の制作部では、少しずつ日程調整が進行している第14回公演へ向けて、どのようなスケジュールで進行していくのかを話し合いました。まだこの時点では大まかなイメージに過ぎないのですが、いつごろまでに何を完了させるのかを意識を共有することは、これからの活動に対する大きな動機付けになります。
議論の中心になったのはチラシをいつまでに完成するのか?という項目でした。作品の宣伝材料として、公演の看板・顔ともいえるひとつの作品を仕上げるのには、常に苦労をしているので、今回も早々にナーバスになっています。「誰かいいデザインを作れる人がいればなぁ…」と、外部への救いを求める声も挙がっていましたが、そのためには、自分たちが作品のイメージ、求めているテイストをしっかりと理解することが必要です。そうでなければ提示されたデザイン案の良し悪しを判断し、的確な注文を出すことができません。頭と想像力をフルに駆使しなければいけない点では同じことなのです。2014年が終わるころには、何らかの形が提示できる…はずです。
午後は稽古を行いました。冒頭で、先日の池袋演劇祭表彰式で得られた、これから底上げしなければいけない要素について話し合いました。どんなに大きな舞台でも小さな舞台でも、どこの国の演劇でも、誰もが当たり前に注目し、その印象を焼きつけようとする存在は役者であり、役者がどのような演技をしていたか、どれだけの能力があるかが、そのお芝居の良し悪しを大きく左右します。今回の受賞団体に向けられた審査員からの講評の一部には、必ずと言っていいほどに「役者の演技力」というキーワードが含まれていました。それが最もシンプルかつ普遍的な判断基準なのです。そして、残念なことに、私たちに最も不足している要素でもあります。
内輪のお客様だけを対象にして、それなりの来客と拍手をいただいていると、こういった当たり前のことを忘れてしまいます。このままでいいんだ、という根拠のない慢心に堕落の一途をたどってしまうものです。今回は完全にオープンな演劇イベントに参加し、不特定多数の一般観衆(審査員)の感性に触れることができたこと、お客様心理のスタンダードを再発見できたことは、大きな収穫でした。これから努力を積み重ねて、真剣に演技力の底上げを図っていこうという役者たちの思いが固まりました。池袋演劇祭への参加には大きな意味があったように感じます。


そんな話を経てのウォーミングアップはいつも以上に元気の良いものでした。体もよく動き、それぞれのやる気が伝わってきました。そして稽古では「点と線」の第二稿を読み合わせています。もちろん立って動きながらの読み合わせです。「思ったより疲れる」「こっちに行かないといけないんだ」などなど、さすがにいきなりうまくいかないことも多々ありましたが、キャラクターの特徴を分かりやすく出そうという今回のテーマに則った稽古ができていました。後はイベント仕様に脚本をどれだけコンパクトでバランスよく整理していくかです。ここが難しいところです。


いよいよ次週からは11月に突入。稽古の質も少しずつ高めていきます!