ついにこの日が来ました。本番1週間前の最終稽古。先週の最終通し稽古を受けて、緊張感を持っての集まりになりました。これまでの準備の積み重ねが試される最後の機会です。課題として投げかけられていた表現、演技が一定のレベルまで達成されていなければいけないわけです。役者たちにとっては真剣勝負のひと時です。

もし、演出が与えた課題をクリアできていなかった場合、表現の水準が及第点に達していなかった場合はどうなるのか?これまでの稽古では改善点、修正案などを確認して、次回の稽古までに役者が改めてくるというのが当然の流れでした。最終稽古ではそんな時間はありません。公演でお客様により良い品質の舞台をお届けするには、削るべきものは削る決断が必要になります。つまり、採用されない、削除される演技が出てくるということです。ここまで来ると「がんばります」「やらせてください」という熱意には意味がなくなります。この日までに仕上げられなかったものが本番までの短時間にできるような奇跡に期待するわけにはいかないのです。
この日の稽古でもそういった判断の対象になったシーンがありました。役者としては自分なりに頑張った結果が陽の目を見ないことになるのは、悔しさと不甲斐なさを痛感する結末です。しかし、この芝居のすべてを失ったわけではありません。他のシーンでも数多くの課題と、発展の余地が残されています。満足できる演技はまだまだ皆無。その品質を高めることに集中できれば、舞台全体の品質も向上します。そして、舞台に限らず人生の様々な局面における次の挑戦への確かな目標が生まれたことになります。現状に一喜一憂して終わらず、自分に負けない、自分を超えていくことが大切なのです。

最後は稽古参加者全員が円陣を組み、「10日後にこの舞台を全員の笑顔で終われるようにしよう!」と誓い合いました。5月から始まった「Mission」との付き合いもあと10日で完結です。長かったようであっという間だった…という月並みな表現の中には、その時間を過ごした者にしかわからない、数多くの気付きと成長がありました。それを時の流れの中で忘れずに、これから向き合うべきレールのない未来に生かすことが、我々の「Mission」なのです。

そして、午前中の制作部でも、公演での販売に備えて何種類かのグッズが最終形態に突入しました。団員の中でも好評だったのが、Mission特製トートバッグ。A4サイズの書類もたっぷり入るサイズですので、劇場でチラシをたくさん持ち帰る際にとても便利です!当日はひとつ300円で販売されますので、ぜひお買い求めください!