関東地方も梅雨が明けた見込みだとの発表があり、早速暑い日々が続いています。そんな時節の挨拶をしつつ、カレンダーを確認すると、本番まで2ヵ月を切っていることに気づきます。果たしてこの状態で間に合うのだろうか?という不安は役者、裏方、すべてのセクションに共通する話題です。タイムリミットが迫ってくる中でも、やるべきことがはっきりしているのは幸いです。これも制作で行っている要所要所でのスケジュール確認と進捗状況の管理の賜物です。もっとも、管理しているからと言って順調に進むかというと話は別ですから安心はできませんけれど。

午前中の制作部では手分けをして衣装と小道具への汚しを入れました。使用感、生活習慣などが反映されたアイテムに仕上げるのが目的のこの作業。どのような色合いをどのような部位に、どの程度入れていくのかの判断は、作業者の描くイメージとセンスに左右されます。指示した側のイメージと作業者のイメージを重ねるのはなかなか難しく、確認してみると少々路線がずれてしまっているものもありました。そんなミスマッチは、最終的に作業指示を出した責任者が修正するという流れになります。どこまで、どのように伝えればイメージ通りの作業を引き出せるのか?頭を悩ませるポイントです。
午後の稽古では稽古参加者の顔ぶれに合わせて選択されたシーンに代役を交えての練習を行っています。全員が揃わない稽古が続く中では、ひとつひとつの動き、段取りをしっかり身に着けることが求められます。なぜなら、全員が合流した際(本番当日かも?)に、それぞれが描いていた相手の動作が異なってしまうと演技がかみ合わないからです。普段代役を立てつつ同じ顔ぶれ同士で稽古をしていると、そんな当たり前ながらも重要なことを忘れてしまいがちです。今回の稽古ではそんな当たり前のことを改めて大切にしながら、動きの確認を行いました。


脚本を読み返してみると「あ、ここで振り返るって書いてあった」「そうか、確かにこれじゃおかしいことになってしまう」などと、以前に納得していたはずの演技の痕跡が発見されます。繰り返して稽古をすることでそれが身に着くのではなく、なぜか頭から抜けてしまう、あらぬものに上書きされてしまうのは不思議なものです。なぜそのような動作を交えるのか?その登場人物や物語の展開の中での意図を理解し切れていないと、そんなジレンマに陥り、稽古の時間や回数を無駄にしてしまうものです。意図の構築は稽古時間外で十分可能です。むしろそれを踏まえた上で臨むべきなのが稽古のはずです。難しいことのようですが、かなり基本的で不可欠なことです。もう一度稽古に臨むまでの準備に緊張感を持つべきですね。


そんな思いを込めた、てあとるみのり第13回公演「Mission」は9月19日(金)~21日(日)、北池袋新生館シアターにて公演です!最新情報やチケットWeb予約のリンクは、
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