7月に入って最初の活動。稽古では初の通し稽古がありました。まだ公演まで2カ月以上あるので、通し稽古をやるなんて時期尚早かと思われるかもしれませんが…残りの稽古回数は9回。てあとるみのりのスケジュールからすれば、遅すぎるぐらいなのです。
さて、そんな緊張感はひとまず置いておいて、まずは制作部の様子からお届けしましょう。制作部も役者同様に公演までの残り時間を意識し始める段階になっています。裏方業務全般を確認して、予定通りに進んでいない個所を優先的に進めています。そこばかりに気持ちと時間と力を注ぎすぎて、結局全体が遅れてしまいそうな予感もしますが、ここまで来たら目の前の課題をひとつずつクリアしていくしかありません。


進行が滞っていたグッズと小道具のプレゼンを行い、その打開案を全体で検討。仕上がりまでの留意点を再確認しました。担当が一人で考えて行き詰ってしまったり、方向性を誤ってしまった時でも、このようなディスカッションがあることで、軌道修正が可能になります。集まることができる回数は少なくても、そこで浮き彫りになった課題、ミッションを次回までにクリアすることの積み重ねで、ゴールにたどり着けるでしょう。

もちろん話し合いだけではなく、グッズ、小道具の製造作業も進行しています。作り方を覚えた団員たちは、じっくりと丁寧に作業に向き合っていました。不慣れな作業に苦戦していましたが、少しずつ軌道に乗って来たようです。公演時に会場でどんなグッズがお披露目されるのか、今から楽しみです。
さてさて、そんな進捗状況でじわじわと進行している裏方の一方で、午後の役者たちが迎えた初の通し稽古は、当然ながら緊張感あふれるものでした。これまでの自分の準備がどの程度通用するのか?イメージしていた通りに物語を一本表現できるのか?それぞれが目標と課題を持って臨んだ時間です。

必ずしも大成功とは言い難い、「もっとこうすればよかった」「まだまだ準備不足だった」「思った通りにできなかった」「間違えてしまった」などなど、役者の反省の弁は様々でした。緊張感からなのかいつもよりも声が小さかったり、テンポが悪かったり、動きが先走ってしまうことも多々ありました。また、予定していた到着時刻に遅れて到着し、出番に間に合わなかった役者と、そのため急遽一人でアドリブでつないでいく羽目になった役者もいました。思い返せばネガティブなことばかりです。

しかし、代役以外の役者はほとんど脚本に目を落とすこともなく、それでも芝居を止めず、不必要に記憶をたどる間がなかったことは評価できるはずです。できなかった部分に目が行ってしまいがちな通し稽古ですが、このようにチャレンジに対して成功に値する内容も、各自が気付き、振り返れると明日につながります。もちろん、客観的に見て改善すべき点、根本的な未達成部分も全員に存在しています。良い点も悪い点も、次の稽古までにしっかりと活かすこと。これが本日を終えて役者たちに課せられた「Mission」なのです。