夏のような日々が続いた関東地方も、この日から雨模様。時間の流れを痛感する今日この頃です。そんな6月5日の制作部の様子から紹介しましょう。

いつものようにテーブルを囲んでいろいろな案件の検証をしています。この日は小道具、グッズのことを中心に話し合ったり、サンプルで製造した作品のプレゼンなどが行われています。これまではただなんとなく集まって話し合って、その場で思いついたことを言うという風潮が強かったこの時間に、最近変化が生じてきました。

メモです。当たり前のことのように感じられるかもしれませんが、てあとるみのり制作部の面々は(もちろん全員ではありませんが)大事なこともメモしない、どこが大事なポイントなのかもよく把握できていないというスタイルが長らく継続していたので、とても大きな変化と進化です。話し合われたことをまとめて、簡潔に記録を残しておくことで、次回までに何をすればよいか、何に気を付ければいいかがわかりやすくなり、効率の良い準備ができるようになります。この日持ち寄られたこれまでより具体的なサンプルに関する評価や課題も、全員が共有することが出来ました。次週以降の活動が楽しみです。

午後からの稽古でも、先週の申し送りを受けたせいか、これまで以上に役者たちの何とかしようという意欲と必死さが伝わってきました。数少ない稽古回数の中で、ひとりに与えられた稽古時間はさらに少なくなるわけです。同じシーンはせいぜい2回の繰り返ししか稽古できません。その中で演出から伝えるべきことが伝えられ、役者はすぐにそれを把握して、少しでも反映させ、持ち帰ってから自分のモノにしていく…。そんな濃密な空気の流れる稽古でした。演出も意欲的に役者に関わって、伝えたいことを伝えていきます。そんな場面を出番のない役者たちはどう見ているのかと言いますと…

ちゃんと耳を傾けています。自分にはカンケーないという心構えではありません。物語全体として、何をどう描くことを目指しているのかをしっかりと共有しようとしているのです。こういった些細なことの積み重ねが全体として舞台の品質を高めていくのです。

役者のやる気、頑張らなければという思いが、やっと具体的な形として現れはじめました。そしてそれらがひとつにまとまりつつあります。様々な素性を抱えた団員の集合体であるてあとるみのりにとって、足並みをそろえて稽古を行っていくことがなかなか難しいのですが、この段階で高まりが実感できるのはよい傾向です。もちろん、先述したとおり、稽古回数も少なく、なおかつ役者全員が稽古に揃うことはほとんどないという条件の中での話です。裏方も演出も、気を抜くことなく、真剣により良い舞台創りに向き合っています。2年前の「Mission」を超えるのは当たり前。その時の自分を凌駕することが、ひとつの目標です。

そんな今週の「Mission」では、演出が立ち上がり、舞台の中に入って指導を行う場面が多かったです。やっとそんな雰囲気になってきました。順調に行くとは思えませんが、今後に期待できますよ!