4月の木曜日も今週で最後。来るべき5月と本格的な稽古のスタートに備え、制作部では稽古場の大掃除を行いました。毎週の稽古でお世話になっているフロアを磨いて綺麗にする際には、様々な物資が収納されている棚も移動して、その部分の掃除もしっかりと行いました。棚を移動させるにあたり、積んであった荷物を全部下ろしたので、棚そのものの掃除も行いました。

床も棚も綺麗になったところでいざ荷物を戻す作業。これがなかなか難しく、どこにどう収まっていたのか?予め控えてあった配置表を頼りに並べてみても何故かしっくりこないという展開に。その時には気付かない、微妙な配置のズレ、配置の角度など、表にメモされた手がかりだけでは不十分でした。人間の記憶とは、案外曖昧なものですね。
午前中の制作部では掃除以外にも、裏方スケジュールの確認と、遅れている部署の今後の進め方について話し合われています。仮にスケジュールが遅れていても、節目になる締め切り日は変更せず、追い上げてスケジュールのリミットを厳守することが確認されています。そうしないと、ひとつの部署の遅れが全体を遅らせてしまうからです。担当者が責任を持って作業を完遂する以外に、みんなで創るひとつの舞台は成立しません。ちょっとしたずれが大きな違和感を生み、上手く収まるはずのものが収まらなくなるのは、棚の荷物と同じです。
とにもかくにも、裏方スケジュールと稽古場が全般的に綺麗になったところで午後の稽古へ。これまでは即興芝居を中心に「Mission」の世界に近い世界観の中で稽古を行ってきましたが、今回は「Mission」そのものにより近い脚本を使っての稽古でした。つまり、次週配本される脚本の試作版から、抜粋した数シーンのセッションを行いました。





賑やかなシーンから、少しシリアスなシーンまで、脚本を完成させる直前の最終確認のような読み合わせでした。この段階ですでに役者は動き回り、お互いの関係性を意識して演じています。本日のみ代役で参加した方も「この雰囲気の中だったらやらざるを得ない、自然に違う自分に慣れた」と、完全に引き上げられてしまったようでした。それでも、役作りの観点からはまだまだ本当に上辺の上辺。本質に触れてさえもいない匂いのようなパフォーマンスでした。もちろん、そのレベルはこの段階では予想の範疇。ここから壮大で奥深い役作りの苦悩が始まるのです。

稽古の最後には恒例の円陣気合い入れ。てあとるみのりでは開始時ではなく終了時の円陣が多いです。稽古の時間にそれぞれが努力を重ねて心をひとつにするのは当然。稽古から次の稽古までにどれだけの準備を行うか?どれだけの強い意志を持って闘えるか…?そんな思いのこもった円陣の掛け声が、今日も明るく元気よく響き渡っていました。