てあとるみのりが稽古を行っている東京都豊島区南大塚近隣には多くの桜並木があります。ついこの間4月になって桜が散り始めたと思っていたら、すでに桜の樹は緑の葉だらけ。散っている花びらさえ見当たらなくなりました。本当に月日の流れとは早いものです。あと2週間で5月になってしまいます。
そんな時間の流れを感じながら、制作部では裏方業務全般のスケジュールを確認しました。第13回公演は9月ですが、今回は様々な事情から早め早めの準備が求められています。8月末には衣装、小道具、メイク関連も完全にそろえる必要があります。そこから逆算して考えていくと…チラシのデザイン決定は約1カ月後。印刷を完了するのは5月末。当日パンフレットのデザインは6月…というように、すでに動かなければならないことが絶え間なく続いています。裏も表も充実した準備をしようというのが今回のひとつのテーマ。そして多くのお客様にご来場いただくための必須条件です。制作部一同、改めて気を引き締めておりました。

そして午後の稽古。制作部の緊張感に集中力を高められた役者たちが、様々な状況での即興芝居に挑みました。もちろん「Mission」の稽古に役立つ要素がたくさん詰まった状況と人物設定です。10分間を目安にして、役や状況を入れ替えながら稽古してみました。中でも一番盛り上がったエピソードが…

何だあれは?

巻かれる。

また巻かれる。
…そんなエピソードでした。何のことかわかりにくいでしょうが、実はこれ、第8回公演前にも実施した即興芝居と同じシチュエーション。ご存知のお方もいらっしゃるのではないでしょうか?
写真の雰囲気からも推察できるように、かなり心と体を動かしたため、役者は疲れたようでした。即興ですから何が起こるかわからない。その場その場で何かを感じ、考えて、行動しなければ物語が成立しません。心身の疲弊は当然のことです。しかし、それは他者と向き合ってその瞬間を演じている以上は、脚本がある稽古でも同じ感覚のはずです。相手が何をし始めるか最初からお見通しのドラマなど、何も面白くありません。演じる者同士に新鮮で斬新なアクションとリアクションの交流がなければ、見る者の心もときめきません。稽古を重ねることで埋没してしまうこのスリルを、どれだけ毎回体現できるか?それは、演ずる者にとって永遠の「Mission」なのです。