先日行われた第12回公演「Memory_Stock」の際にお客様から回収したアンケート。終演後の会場や打ち上げの時に団員たちは一喜一憂しながらそのメッセージに目を通していました。その場ではそれぞれが「評価してもらえた!」「見ていてくれた」「まだここが足りなかったか」と、それぞれのフィードバックを行いました。価値あるご意見に感謝です。
しかし、そんな振り返りは極めて主観的で、正確なデータとして後の活動に生かされるかわからないものです。心に残ったお言葉だけをお客様の価値観だと都合よく結論付けず、客観的に数値を分析しなければ意味がありません。とは言っても、アンケートを集計、分析するのは一苦労。てあとるみのりの団員はパソコンに疎い(というか根本的に統計の取り方がわからない)。逆にパソコンを使えて、集計する理屈が分かる者は演劇を離れれば超多忙な社会人。これまでなかなかその作業は進んでいませんでした。

そんな我々に頼もしい仲間が!見事にアンケートを集計し、分析可能なデータベースを作成してくれました!制作部情報分析担当とでも申しましょうか、素晴らしい仕事です。もちろん、これだけの数字をまとめるにあたっては、相当な苦労があったはずです。その上に成り立っている見事な結果。これは、まさにてあとるみのりの根底に流れる考え方に通じています。

本日の稽古冒頭で、役者たちにも早速集計結果のお知らせと説明、何が良かったのか、悪かったのかなどの、情報の読み解きが行われました。好意的な評価が多かったアンケートでしたが、必ずしも、安心できない状況であることもはっきりと読み取れました。ここで反省ばかりしていても何も始まりません。次に向けて何をなすべきかははっきりしました。ただ漠然と「頑張ろう」ではない、具体的な取り組み方が見えてきました。いやいや、本当にデータ集計様様です。
なお、制作部ではデータ分析の話以外に、グッズの案(試作品のプレゼン)、チラシの案の意見交換、チケット販売の目標数値の設定などが行われています。チケット販売では、これまで主流だった友人知人関係以外の、一般カテゴリから多くのお客間を呼び込む方法について議論されています。すぐに解決するようなテーマではありませんが、これまでは深く考えたことのない、ある種の恵まれた環境下で興行を行っていた我々にとっては、次のステップに進むために必要な悩みです。とことん考え、実践し、振り返って、また考えて…を繰り返していきます。
午後の稽古では先週に引き続き2シーンを抜き出した「Mission」のシナリオを演じています。2年前から継続している者、新たな役に挑む者、いずれにおいても、演出から求められる水準が高くなっています。表面上の滑稽さ、役者のパーソナリティに依存した面白さは、本当の「面白い芝居」には成り得ないのです。そこに生きている人間を作り出さなければ、何の意味もないことなのです。極めて当たり前のことですが、改めて向き合うと難しい目標です。運営面だけではなく、演じる役者にとっても、ひとつの意識改革の時がやってきました。

稽古前の発声練習、早口言葉などの基礎訓練。

熱心な稽古の様子をジョッピーも見守っています。
そして演出席には相変わらず椅子がないのでした。