どうも。主宰の椙田です。お陰様で特別限定公演「仮想(装)戦姫メイドリアンVer.11.9」も無事に終了。当日豊島公会堂にご足労いただいた方々、誠にありがとうございました。現在、てあとるみのりの団員は「メイドリアン」での珍プレー(出演者だからわかるハプニング)を振り返りながら、自然と笑顔になってしまう日々を過ごしています。なお、「メイドリアンVer.11.9」の公演の様子は
フェイスブックに公開していますので、気になる方はご参照ください。
さてさて、本日はそんな余韻を継承しつつ、新たな舞台「Memory_Stock」へ向けての稽古が行われてます。ここで「実はもう脚本が出来ています。さあ、どうぞ!」と配本できれば超カッコいいのですが、現実はそうそうドラマのようにはいかないものです。とは言え、今回の稽古は脚本を構築していく上で重要な要素を抽出するためのセッションです。参加者の間に油断や余裕はありません。真剣勝負でした。もちろん楽しみながらの。



役者たちが手にしているのは脚本の試作版…ではありません。そんなものはまだ1ページたりとも存在していないのが現実です。ただし、新作の香りがどことなく感じられる、いわばいきなりの派生作品。ここでの手ごたえ、役者の反応を持ち帰って、脚本作りに反映させます。つまり、今回のセッションはかなり重要なのです。うっかりすると、配役まで確定してしまう可能性もあり、役者にとっては気も手も抜けない時間なのです。

しかも、この作品は途中(15分弱)までしか書かれていません。しかも中途半端なところで終わっています。続きは、それまでの流れ、人物の思考を引き継いでの即興芝居です。並んだ稽古写真も途中から役者が脚本を手放しています。何回かセッションを行い、少しずつ設定、状況を整理してストーリーを有機的に膨らませるのですが、必ず予期せぬイレギュラーが投入されるのが即興芝居の面白さ。

フツーの男女の中に、いきなり謎の原住民のような、山の神のような、死神と名乗ってみたりする人物が乱入してしまいました。このような半ば壊滅的状況に置かれても、役者それぞれが己の発想と展開力を発揮して話を進めていくことで…さらに壊滅することもあります。しかし、それぞれの直観的、ある意味では自己中心的献身とでも例えられるような奮闘によって、数々の爆笑名言が誕生しました。まともに頭で考えていたら、絶対出てこないような一言、驚愕の展開のオンパレードです。
もちろん、これらのネタがそのまま脚本になることはありません。ただの不条理コメディになってしまうからです。調味料として使うか、隠し味とするか、すべてはこれからの作業で新しい形になっていきます。大事なのは、限定された環境の中で垣間見える人間の人間らしい反応、人間らしい感情の交錯を引き出すことです。それを描き出すことがドラマなのです。今回の「Memory_Stock」も、しっかりとしたドラマにしますよ!
さて、でかいことを言ったからには頑張ります。まあ、いつも言ってることなんで、等身大ですけれど。ではまた。