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共鳴するのは上辺の形ではなく秘められた僕(しもべ)の轍。

Posted by theatreminori on 06.2012 主宰者コラム 0 comments
どうも、最近は目の前にいる同僚にfacebookで話しかけることが多い回りくどいSugiです。

さてさて、先週と今週のてあとるみのりは、この時期恒例になりつつあるプレセッションを行っております。プレセッションとは、脚本の完成形や設定をイメージした状況下でエチュード(即興芝居)を行うものです。ここからアイディアが熟成されたり進化したりして、実際の脚本に反映されることもあります。もちろんキャラクターに対する役者の適性を察することもできます。ただの遊びのように見えて、今後の運命を左右するようなイベントなのです。正直かなりおもしろいです。脚本になった形式的な作品より笑えるかもしれません。とは言え、そこに物語としての骨格はありませんので、芝居としては成立していませんが。まあ、そこから先が私の仕事。

エチュードに取り組んでもらうと、役者個々の「やり易い演技の方向性」が浮き彫りになります。ある意味自然体。または苦しい時の切り札。それらが手に取るようにわかります。脚本もない、相手の出方も読めないわけですから、己が最も得意な方向性で凌ごうとするのは当然のことです。いくつもの引き出しを持っているかのように立ち回ったところで、帰結するのはひとつの柱。ナナメに見てしまえば一目瞭然です。それは全く持って悪いことではありません。むしろ、そんな役者個々の素の部分を捉えたいという意図もあるのですから。役者たちのささやかな極限状態での熱演には感謝しております。

さあ、そんな素材をかき集めて、「Mission」は日々成長と進化を遂げております。これまでにないような、それでいてこれまでの全てを含んでいるような、そんな2012年4月現在最高の遺伝子を放つための作業を積み重ねています。彼らが演じるに値する作品を、彼らへの敬意を込めて生み出すために。

脚本を役者たちに書いてあげているのではありません。共に作り上げる作業を重ねているのです。それぞれの役割の中で。

作り手が上から目線になった時点で、集合体としての創作芸術は壊死します。
ですから、常に、上を目指して。
ただひたすらに。

それが、私のMissionです。


蝉の七日間のように。

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