10月最後の活動日。午前中の制作部では恒例のラジオ体操(第1・第2)からグッズ試作へと。いつも通りの流れです。今週は試作したグッズが形になってきたことで「ここはこのぐらい重ねればいいですかね?」「色はこれでいい?」「思ったよりきれいにできました」などと、形状や品質、製造過程の手法などの確認が随時行われました。これまでに比べると作業の速度が上がっているように感じます。

ここでの改善点を次の試作に生かして、さらに品質や仕上がりのレベルを上げていきます。編み物系商品ではまだ十分足りると思われていた毛糸が足りなくなってきたようで、買い出しも検討されていました。こちらもこれまでに比べて製造速度が上昇しているからこそでしょう。
午後の稽古では某抜粋脚本の第5弾を実際の稽古と同じような形式で演じました。今回取り上げたシーンは動きがとても豊富で、いわゆるト書きに書かれていることを理解して、必要な動作やセリフに明記されていないアドリブ的な演技まで求められます。余所の劇団ではあまりないことかもしれませんが、てあとるみのりの役者の多くがト書きをちゃんと読んで理解しようとしないという特徴を所持しています。このブログでも再三再四表現されている「脚本のセリフだけ見ている」現象です。

今回はまずト書きを全員で読みながら、必要な動作をなぞって行き、随時セリフを入れ、また動きを確認して…という、段取りを丁寧に確認してみることから始めてみました。案の定、ここから大苦戦。どこに向かっていくのか、誰に声をかけるのか、どのタイミングで動き出すのかなど、実際にはト書きに書かれているはずなのに理解が及ばず、然るべきタイミングで棒立ちになる役者が続出しました。これには演出も「これが本当の稽古だったら、公演まで1年あっても間に合わないぞ」と頭を抱えていました。

それでも何度か繰り返して段取りを修正していくうちに、動きとセリフの兼ね合いは修正されつつありました。なぜそう動いているのか、誰に向かって声をかけているのかなど、セリフや動作の裏側を読み取ることは相変わらず苦手なようで、演出からも「誰に向かって言ってます?」「ここで騒いでいるときの気持ちは?」などと役者への確認が相次ぎました。それぞれにどのように考え、イメージすればよいかのアドバイスもあり、役者たちは「わかりました」「なるほど」と理解を示していました。
最後に演出から、「実際の公演へ向けた稽古ではここまで丁寧に書かれていることを読み解くことはしないし、一カ所このように考えてみてと伝えたことは他の全てのセリフにも共通することなので、次の稽古までに他のセリフに同様の考え方で根拠を持たせるようにしてこないと稽古が進まない」という言葉がありました。これはいよいよ次回から3月公演へ向けた稽古が始まるという宣言でもありました。劇団員たちも身が引き締まったようです。そんなわけで、本日の稽古はここまでです。
関東地方がすっきりした秋晴れに恵まれた10月20日(木)の活動の様子をお届けします。この日からしばらく休んでいた劇団員が活動に復帰しました。本人も「戻って来れて嬉しい」「新入社員の気分で不安もあるが頑張ります」と抱負を語っていました。
10時からの制作部では先週試作を始めた商品の製造を続けるのと同時に、先週は話題に出ていなかった劇団設立15周年記念グッズのアイディアについての話し合いも行われました。10周年の時に作ったアイテムを振り返りつつ、今回導入しようとしていた商品と合併させてボリュームを増す案や、全く異なる方向性の案など、複数の可能性を検討しました。団体の魅力や15年間何を目指して活動してきたのかが伝わるようなアイテムをイメージして、ひとまず今日の議論は終了しました。最終的にどんなグッズが出来上がるのかはまだわかりません。

復帰した劇団員は何の違和感もなく、かつて担当していた商品作りを継続して実施していました。作業中の雑談、ちょっと大きさがずれてしまう完成度など、お休み前と何も変わっていないその姿に、周囲も「いい意味でも悪い意味でも何も変わっていなくて安心しました」と口々に語っていました。
13時から16時までの稽古時間には、次に控えるイベント公演、映像作品の計画などの詳細の話し合いから始まり、後半は先週に引き続き抜粋された脚本の練習を行っています。話し合いの内容はまだ公開できないので、ああ、第26回公演の前にも何かあるんだな~程度にご認識いただければ結構です。毎年の活動状況を見ていると、だいたい何をやるかはわかってしまいそうですけれど…。
脚本読み合わせは先週同様に「ジバリッシュ(デタラメ言葉)」を含んだ演技です。相変わらずこれが難しいわけです。しかし、何度か読んでいると、非言語的なコミュニケーションの中にも確かな個性が確認でき、「偉い人が前へ出過ぎないというのもありですね」「側近が強すぎるとか」「まだ若い王で堂々としていない風にも見えるね」など先週までの練習では描けなかった新しい関係性が見えてきました。

何度か配役を入れ替えて読み合わせを繰り返しましたが、一部の配役が変わっただけで個々の受け答えはもちろん、全体の雰囲気まで変わってしまうことの確認もできました。短時間の練習なのでそれの良し悪しを吟味するには至りませんでしたが、一人の演技の質や方向性が全体にも影響を与えるという事実に気付けたことは収穫です。長期的な稽古に入った際には、そのことをよく思い出しながら、丁寧勝つ周囲を広く見て役を仕上げていってほしいところです。
早いもので次週は10月最後の活動日。そろそろ色々な情報が表に出てくる頃合いです。ご期待ください。
最近の東京は気温の寒暖差が激しく、体調管理も一苦労な日々が続いています。本日は一名の団員が体調を崩して欠席しています。
さて、そんな10月13日(木)午前中の制作部の様子からお伝えしましょう。学園祭のグッズ作りもひと段落し、この日は来年3月の第26回公演で販売するグッズについての話し合いからスタートしました。これまで作ってきたもの、それらを改良したもの、新しい挑戦など、様々な案が出ました。9月の「みのりで文化祭」におけるお客様の反応も、存分に参考になっています。

話し合いの結果、数点のアイテムを試作してみることになり、早速本日の残り時間から試作開始です。残っている素材を使ってイメージ通りに作れそうか、発展の余地があるのかなどを検証するためです。さすがにこの日に試作品の完成まではたどり着けませんでしたが、最近はこのように慎重かつ発展的な視野を持ってグッズ開発に取り組んでいます。少しでもいい商品をお届けできるように、制作部も毎週頑張っているのです。
13時からの稽古では、申し送りや検討事項に続いて短い脚本の読み合わせ第4弾を行っています。今回のテーマは「ジバリッシュ(デタラメ言葉)」です。脚本には( )内に「こんな感じのことを言ってね」的な指示しかなく、特に特定の言語ではない、感情的に生み出された音で会話するというチャレンジです。
一応脚本には( )書きでセリフのニュアンスが書かれているので、まったく会話が成立しないということはありません。しかし、少し会話が長引くと「今どの辺りを言ってるんだろう?」「そろそろ自分がセリフ入れていいのかな?」などと、流れを見失ってしまうことも珍しくありません。そうなったら半分即興のような対処で乗り切るしかありません。もともと言語ではないので、周囲にそのミスマッチを悟られないようにすることが重要です。

序盤はコツがつかめなかった役者たちも、徐々に感情の音声化のリズムや間合いに慣れてきて、少しはバリエーションのある感情表現を行えるようになりました。どうしてもセリフの表面的な形に囚われてしまう劇団員が多いので、時にはこのような訓練も必要なのです。ちょっと練習しただけで課題は解決しないでしょうが、言葉ではない感情をどうにか形にして相手に届けるという行為を経験したことは、必ず今後の成長につながるはずです。

演技の後はジバリッシュのコンビネーションをさらい磨き上げるために、役者同士で「ここはもっとはっきり言わないとだね」「ついつい下からになるのよね」「身分の違いを出さないと」などとディスカッションがおこなれていました。フツーの日本語セリフでも、このような姿勢で臨めるかどうか?いずれ始まる第26回公演の稽古が楽しみです。
東京は昨夜から一気に冷え込んできました。6日(木)は11月下旬から12月上旬並みの気温とのこと。活動に集まった団員達も口々に「寒い!」「一気に気温が下がりましたね」と驚いていました。
この日は10月下旬に参加する某学園祭で販売するグッズを作るという活動でした。午前中の制作部では午後のメイン作業に備えて、プラ板アイテムの試作を行っています。どのぐらいの所要時間なのか、どんな留意点があるのかなどを確認しながら、製造の工程を総確認しました。プラ板に関しては過去にも数多くのグッズに導入してきましたが、実際に作業するのは久し振りです。作ってみると「どうやったっけ?」「最後ニス塗りましたよね」など不明点が何点もありました。懸念されていた所要時間は思ったほどではなく、むしろ素材が足りなくなりそうな予感もあったので、急遽素材の追加買い出しにも出かけました。

こうして迎えた午後には、学園祭で一緒に販売を行う学生と共にグッズの製造を行いました。2種類の商品を製造するので、大きく二つのグループに分かれての作業でした。製造したのは①ジョッピーをモチーフにしたプラ板キーホルダー②クルミボタンで装飾したヘアゴムの2種類です。グッズを作るのが大きな目的ですが、協力し合いながら作業し、学生と交流することも大きな目的です。

劇団員も学生もまさに和気あいあいと、お互いに声を掛け合いながら作業していました。クルミボタンチームはなかなかうまくはまらないボタンの裏面をあの手この手ではめ込もうとしていました。最終的には学生からの「肘でやったらどうか」の提案を受けた劇団員がエルボードロップの勢いで実行。見事にボタンを仕上げていました。プラ板チームは作業が進むにつ売れて焼く、ニスを塗る、キーチェーンをつけるなどの工程が増えていき、持ち場を流動的に変えての作業でした。学生から「焼き入れて来ます」という報告があると、劇団員が「思い切り焼き入れてやってください」と茶化す場面もありました。どちらのチームもこのように冗談を交わし合ったりしながら、それでもしっかりと手を動かすという理想的な展開でした。おかげで、当初予定していた数量よりも多くの商品を製造することが出来ました。学園祭当日の販売が楽しみです。

作業終了後は短い時間ながらも本日の作業を振り返り、交流を深める会を開催しました。「子どものころやったのを思い出した」「集中してできた」「売るのが楽しみ」「時間が過ぎるのがあっという間だった」などの感想が多々聞かれ、久し振りに学生との協働企画が実現できたことの意義を感じられました。

そんなわけで、本日は演劇の稽古は全くありませんでした。しかし、日ごろ培ったグッズ製造の技術と知識をフル活用して、学生たちとのコラボレーション企画を進行させることが出来ました。芸は身を助けるとはまさにこのことです。

先月(9月)14日に、てあとるみのり制作部の主催で開催されました「みのりで文化祭」の大盛況に感謝して、参加団体と制作部の面々で「ありがとうメッセージ」と名付けた寄せ書きを作成しました。それぞれの感謝と心がこもった手書きのメッセージを、ぜひお収めください!そしてまた文化祭が開催される運びとなった場合には、またのご来場を心よりお待ち申し上げます。皆様、本当にありがとうございました!