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8月25日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 25.2022 稽古レポート
8月25日(木)の活動レポートです。まずは午前の制作部。9月14日開催予定の「みのりで文化祭」に向けて、当日の運営スタッフのシフトのこと、パフォーマンスエリアを使用する各団体のスケジュールや人員など、運営面に関わる話し合いを中心に行いました。先行チラシをアップデートした両面刷りのパンフレットデザインも最終段階に入り、細かい文言や配置の調整を行っています。



その後は文化祭の装飾に使用するためのバルーンアートに初挑戦。「簡単にできる」という動画を見ながら作り方の習得を目指しました。しかし、さすがは素人。そう簡単に習得には至りませんでした。かなり惜しいところまで行ったのですが、もう一息でした。次回には何とかモノにしたいところです。なお、製造中は風船が破裂することもあり、バーン!という音と共に「うわあぁ!」という悲鳴もこだましていました。

午後の稽古ではまず、午前中の内容の申し送りと、関連団体の公演情報、演劇的な一日の情報などの共有が行われました。その後は先週に引き続いて二人組で短いシナリオを演じる訓練を行っています。

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演技に入る前に3分間の打ち合わせ時間を設けているのですが、この時間に両者が何について打ち合わせるのかが重要です。舞台の間取り、お互いの関係、自分がやりたい方向性など、当然シーンによって優先順位は変わります。このシーンを、このキャラクターを短時間でそれらしくみせていくにはどこから手を付けるべきかの脚本解釈が求められます。

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これは即興的な演技ならではの考え方かと思われるかもしれませんが、実は長い時間をかけて役作りを行う上でも同じことが言えるのです。つまり、その人物を描くのに、どんな要素を最重要視するべきなのか、何に時間を割いて役作りをするべきなのかということです。ここがずれてしまうと、稽古で効果的な表現ができないまま時間を浪費し、自分の演技はもちろん、周囲の演技の質にも影響を及ぼすようになります。今回の訓練はそのポイントを見極めるための訓練でもありました。

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また、短時間で仕上げようとすると「それらしい動き」「よく見かけるアクション」を多用してしまうケースもあります。ここにも注意が必要です。部屋の中に突入するというト書きに対して、思い切りドアを蹴破って突入するような表現をした場合、本当にそれが妥当かをよく考える必要があります。部屋の中に誰がいると想定しているのか、こちらと相手の力関係、数的優位なのはどちらかなどの状況判断が加わると、静かに忍び込むような突入方法の方がふさわしいことが多いことに気付いたりします。こういった想像力もよりふさわしい表現のためには必要なのですね。


第26回公演参加者募集中!

Posted by theatreminori on 23.2022 お知らせ
てあとるみのりは一般の学生・社会人と、精神・知的障がいのある団員がひとつになって舞台創りを行っている劇団です。決して福祉やリハビリ的な演劇を行っているのではなく、90分前後のオリジナル作品を外部の劇場を借り、チケットを売って、自活運営している、ごく一般の劇団として活動しています。

そんなてあとるみのりが2023年3月6日~12日(設営・リハーサル含む)、大塚萬劇場にて第26回公演を実施します。この公演はてあとるみのり結成15周年を記念する特別な興行になります。そこで、この公演に関わる参加者を幅広く募集いたします。ご興味と情熱のある方は、以下の募集概要をご確認の上、ご応募・お問い合わ下さい。

<募集分野>
①出演者(メイン):3~4名
 内容:物語のメインキャスト、セリフあり
 条件:稽古になるべく多く参加できる方、劇場での演劇公演出演経験者
    ※想定数より多くチケット販売をした方に報酬(チケットバック)あり

②出演者(エキストラ):3~4名
 内容:物語のエキストラ的出演者、セリフほぼ無し(ガヤガヤ程度あり)
 条件:稽古に何回か参加できる方、ほとんど演劇経験のない方、お姿の一般公開が可能な方

③音響オペレーター:1名【募集終了】
 内容:稽古・公演で音響効果の音出し
 条件:稽古に5回以上参加できる方、興行期間中フル参加できる方
    ※機材の操作方法の事前レクチャー可能
    ※完遂された方に協力費(報酬)あり

④当日制作補助:5名程度
 内容:公演当日の場内誘導、消毒、受付の補助など
 条件:公演期間中1日からでも可

⑤舞台設営:5名まで
 内容:劇場での舞台装置設営・装飾などの作業
 条件:3月6日(月)に劇場で作業できる方、12日(日)の原状復帰に参加できる方歓迎

<上演作品>
てあとるみのりオリジナル作品(現代劇)
脚本・演出:椙田佳生
上演時間80分を予定

<活動(稽古)場所>
ハートランドみのり(豊島区東池袋2-18-7 恵安ビル2階)
木曜日夜、日曜日昼~夜に稽古実施
稽古開始は2022年10月または11月を予定

<公演期間・会場>
2023年3月6日(月)~12日(日) 萬劇場にて
 ※舞台設営、リハーサルの日程も含む
 ※舞台での上演に加えて有料録画配信を予定しています

<応募方法>
以下のフォームからお申し込みください
こちら

※ご応募後、総監督(椙田)との面談を経て参加が確定します。
※18歳未満の方は保護者の同意が必要になる場合があります。

<応募締め切り>
2022年9月9日(金)
 ※予定人数に達した分野は締め切り日前に募集を終了します。

<お問い合わせ>
電話:03-5928-1920 担当:椙田(すぎた)

8月18日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 18.2022 稽古レポート
先週は祝日のため活動がなかったので、2週間振りの活動でした。当たり前のことを報告するだけの切り出しはこのぐらいにして、早速8月18日(木)の一日を振り返ってみましょう。

午前中は強い雨が降っており、交通機関が遅れたり移動速度が低下して遅刻する人が続出しました。そのため、制作部の活動が始まる10時の段階では誰も到着していないという珍事が発生しました。数分後からだ人が到着したので、活動に大きな支障はありませんでしたが、今日はどうなるんだろうか…?というドキドキ感がありました。

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さて、そんな制作部では9月14日に開催される「みのりで文化祭」の運営会議が行われました。参加するグループのブース配置、パフォーマンスエリアで行われる出し物のタイムスケジュール案など、お客様の楽しみと出展者の都合などを加味した案を練り上げました。また、装飾のためにある新しいチャレンジを行うことも決定しました。果たしてうまくいくのでしょうか?気になる方は是非9月14日に会場である東池袋のハートランドみのりまでお越しください。

午後の稽古時間には、まず、ある新しい作品のアイディアについて話し合いが行われました。まだ内容詳細を詰めるというよりはブレインストーミングのような段階で、思い付いたアイディア、こんなことできないかという希望などを自由に話し合った感じです。果たして、どんなものが生まれるのか?そしてその作品はどこで見ることができるのか?まだまだ謎が多い企画ですが、いずれ情報をお伝えします。

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その後は短い脚本を次々と役を入れ替えて読み合わせるセッションを実施しました。演じた本人たちだけではなく、その時ギャラリーだった団員からも感想やアドバイスを提供してもらうスタイルで、演じた後にみんなで「あそこはよかった」「組み合わせが変わるだけで印象が変わりますね」「チームとしてバランスが良かった」「キャラクターの違いが際立っていた」などの振り返りを行いました。

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ほとんど即興に近い形で異なる相手と組んで演じていくので、偶発的に噛み合ったり、まとまりのある演技に見えたりすることがあります。それを即興の面白さだからと一過性にしてしまっては勿体ないです。本日のセッションの本当の目的は「なぜそこで上手くいったか」を考えることでした。つまり、その理由を的確に分析できれば、逆に意図的にそんな好循環を役者同士で生み出せるということです。それが役作りや解釈といった役者の取り組みにも直結します。とかくひとりで自分の役のことだけを考えてしまいがちですが、実は相手との演技の組み合わせや考え方、出したいもののずれや一致が双方の演技を生かしたり殺したりしているのです。この仕組みを自ら構築できればさらに良いパフォーマンスが発揮されます。だからこそ一人だけで役のことを考えずに共演者同士でよく話し合い、チャレンジし、振り返ることを繰り返す必要があります。演出に言われてから調整するのでは時間が無駄になります。役者主体で演技を創り上げ、どんどん磨き上げていくことが、いい作品を仕上げることにつながっているのです。本日のセッションではそれを実感できる要素が満載でした。短いシナリオでもこれだけ考えることがあるわけですから、上演用の脚本になれば尽きることがないぐらいに考えることが存在します。演技とはかなり深いものなんですね。


8月4日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 04.2022 稽古レポート
8月4日(木)は8月最初の活動日。そして新天地へ移って2回目の活動日でした。先週は特に午前中の集まりが悪かった活動日でしたが、この日はまずまずの集まりでした。東京は久し振りに暑さが和らいだので、その影響もあるのでしょうか。

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さて、10時から12時の制作部では、来月14日に迫ってきた「みのりで文化祭」に関する具体的な運営会議を行っています。会場のレイアウト、ブースに入る団体の確認、ブース以外のお楽しみ要素の考案、パンフレット作りの段取りなど多岐にわたって、それぞれが「これやったらおもしろいよね」「楽しんでもらうにはこれもありだね」などとアイディアを出し合いました。そしてそれぞれがいつまでに何の準備をするのかの共有も行いました。この日の話し合いで一気に具体的にイメージできるようになってきました。

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残った時間はグッズ作りの続きに取り掛かっています。すでに次回の本公演(2023年3月)での販売を想定した商品もあるので、何をいつ、どこまで作っておくのかも確認しながら作業しています。当初は「難しい」「できないかも」と不安要素が強かった商品がいつの間にか作り手の「いや、これはちょっと違うな」「やっぱりやり直す」といった執念がこもった作品に成りそうです。

13時から16時は稽古時間でした。この日は5人で演じるショートシナリオを使っての演技です。このシナリオの特徴はト書きや人物設定、状況説明がなく、セリフというよりは主語がない短文(例「まともじゃない」「結局そうなる」など)しか書かれていない点です。つまり、演者たちは状況を共有し、人物同士の関係性を想像し、実際のセリフや演技としてどんなことを表現するのかを自由に考えなければいけません。プロットに瞬時に肉付けをしてドラマにするような感じです。ある意味即興要素が強い取り組みですが、大事なのは前後のつながりを意識して誰からどんなバトンを引き継ぎ、誰にどんなバトンを渡すのかの理解です。

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序盤のセッションではセリフのタイミングや取るべき行動が前後してしまう役者が続出しました。自由にできるという即興要素に流されて、「概ねこんなことやればいいんでしょ」という個人演技に傾いてしまったからです。細かい部分での自由は保障されていても、物語の展開、発言の関係性などは定められているので崩してしまうと作品として成立しません。このバランスが難しいのです。

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演者たちは互いに「ここはもっと強く言ってくれた方が受けやすい」「壁際にいた方が後の演技の邪魔にならない」などと気付いたことを振り返りながら演技の質を高めていきました。何回かセッションしたことろで役をシャッフルすると、より多角的に状況を判断できるようになったせいか、さらに品質が上がっていきました。短時間ながらもそれなりの成長が確認できました。今回のような特殊な脚本ではなく通常の脚本を読む際にも、同じように前後のつながり、状況の判断などをしっかり根底に持つことが、より良い演技につながります。ただセリフが書かれているからそれをそのまま読むだけでは演技として不十分です。まだまだ技術的に成長過程の団員たちは、こんな基礎的な訓練を繰り返しています。

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