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6月24日の「やみのむこうに」です。

Posted by theatreminori on 24.2021 稽古レポート
6月24日(木)は6月最後の活動日でした。東京都の緊急事態宣言が解除されたことを受けて、7月からは少し活動時間が延長される予定です。

そんな本日午前の制作部は各自がグッズ作りに取り組んでいました。あるグッズに、我々のマスコットキャラクターであるジョッピーをプリントしようという案が出ていましたが、さらに高度に「刺繍でやってみよう」という案が出てきて、実際に試作に入っています。実現すればかなりいい感じのグッズになりそうですが、どうなることやら。

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午後の稽古はウォームアップから始まり、全員が本日の目標を宣誓するというイベントを経て始まりました。その日に自分が目標とすることを全員の前で宣言することで、有言実行の意識が高まるとともに、劇団員の一体感や動機付けが高まります。そんな効果を狙って今回の公演からこのイベントを取り入れています。

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稽古は後半のシーンを何度か繰り返して行いました。演出から「ここで相手のことをどう思っているのか?」という内面的な質問があったり、「このタイミングでこっちへ移動しておいてください」という形式的な注文があったり、徐々に内容が形になっていく過程を共有しながらの稽古でした。稽古としてはまだ2回目なので、内面の構築や物語の真相を理解する点では物足りなさがあるのは事実ですが、カギになる解釈や演技に対しては演出から丁寧なディスカッションがあり、役者たちも理解が進んだようです。あとはそのイメージを表現に結び付けるだけです。

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うまくいかない演技がある一方で、シーンによっては役者の個性がとてもよく反映されている表現もありました。「これはこの人の良さが役に生かされているね~」と役者同士でも当て書きされた絶妙な配役に感嘆の声が上がっていました。こういったシーンはむしろ稽古の序盤にこそ輝く傾向があり、深く考えず素の自分で演じたら役にはまった(そうなるように脚本が書かれている)というパターンです。こちらはこれからの稽古の積み重ねで、あれこれ考えて演じたり、狙って演じることで輝きを失っていくこともあるので、逆に扱いが難しいものです。役者自身の感覚で、もっと考えた方がいい場面と、今のままでいい場面(セリフ)の見極めができるようになると、さらに稽古の効率や品質が向上するはずです。演じつつも客観的な視点を持っておくことも重要な要素です。

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6月17日の「やみのむこうに」です。

Posted by theatreminori on 17.2021 稽古レポート
6月17日(木)の午前中は晴れていたかと思ったら突然大雨になり、また晴れたと思ったらまた雨が降って来るという不安定な天候でした。ちょうど昼休みにお昼ご飯を買いに出た劇団員が雨に降られて「突然降ってきた―」と大慌てで戻ってくる一コマもありました。

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そんな外の天候に気を取られつつも午前の制作部は順調に進行しました。いよいよ何点かのグッズは完成形が定まり、増産体制に入っています。今のところ縫物、編み物系のグッズが先行していますが、それ以外にもあの定番アイテムの製造も決定しており、次週にはデザインの具体的検討が始まります。

午後は第25回公演の脚本(完成版)が配布されてから最初の稽古でした。どの役者もこれまでのワークショップ形式の稽古で培った脚本のスマートな読み方を実践してきたようで、早くも脚本をほとんど見ずに演じる者までいました。逆に、まだその手法がすんなり浸透しておらず、少々出遅れ感のある役者もいました。それでも、過去の稽古初日に比べればはるかにスタート地点を前進させることができていました。あとは、この平均値の水準を全体で引き揚げていければ問題ないはずです。

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ほとんど脚本を見ないことで、当然ながら思いがけないトラブルが生じることもあります。今回もある役の人物が非常に重要なセリフを演説している最中に、何を思ったか合いの手のような掛け声を発する役者もいました(もう少し先のシーンのセリフの一部でした)。これには、まじめな演説も笑いの感情で崩壊してしまいました。主犯の役者は「きっかけになるポイントを勘違いしていました」と謝罪していましたが、チャレンジしての前向きなミスですので、そこを責める劇団員はいませんでした。

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このようなミスは稽古の序盤だからこそ容認されます。逆に言えば、今のうちにたくさんミスをして恥をかいておくべきなのです。うまくやろう、間違えないようにしようと意識し過ぎて、言葉の形や表面に囚われてしまうと、あっという間に演技の質が停滞します。脚本のセリフに縛られて、表現ではなくセリフの再生になってしまうのです。もちろん、全くあらすじも物語のイメージも頭に入っていない状態での無謀なチャレンジを行うのはお勧めできません。裏返せばイメージが身についた状態に早くたどり着かなければいけないということです。

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本日は、実際の動きや場面転換も想定しながら通して脚本を読み、気になったシーンを抜き出して演出を交えて稽古しました。いわゆる返し稽古を行うと、公演に向けた稽古が始まったなぁと実感できます。そんな第25回公演「そこにあるもの ~しんそこにあるもの~」の劇場公演は2021年8月27日(金)~29日(日)、北池袋新生館シアターにて上演されます(社会情勢によって変更される場合があります)。そして9月には録画配信も行います。チケット販売や配信のご予約などの開始まではもう少々お時間を頂戴します。続報をお待ちください!

第25回公演「やみのむこうに」公演・チケット情報(9月16日更新)

Posted by theatreminori on 13.2021 公演・チケット情報
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てあとるみのり第25回公演 録画配信
「やみのむこうに ~しんそこにあるもの~
【脚本・演出・総監督】椙田佳生

<あらすじ>
同盟国から突然の侵攻を受け、居城を追われたヤマト王子が世話係のサツマと共に逃亡する。闇をさまよい行き着いた先は「死の大地」と呼ばれる不毛の地に隣接する立ち入り禁止地区。死の大地から流れ込む毒に汚染されたその地には誰一人として足を踏み入れることはなかったはずなのだが、ヤマトたちの前には次々とその地に関わりのある者たちが現れる。ある者は自らの境遇に嫌気がさし、ある者はただ自由を求めて、そしてまた彼らを追う者の影もその地に迫る。果たしてヤマト王子の運命やいかに?侵略者たちの真の狙いは何なのか?

<録画配信>
今回は舞台の配信や映像編集のプロフェッショナルであるコヤムービーさんに依頼しての映像です。劇場の臨場感に勝るとも劣らぬ様々なアングルから人物と物語を彩っております。さらに、録画配信ご視聴のお客様には①特典映像②パンフレットデータ③脚本データという豪華3大特典をご用意!劇場観劇された方でも大満足していただけること間違いなしです。是非この機会をお見逃しなく!
※ご視聴には有料の限定配信URL取得が必要です。

<配信日程>
2021年9月16日(木)~10月25日(月) YouTubeにて

<配信URL>
※お申し込み受け付けは終了しました!

<撮影・編集>
舞台映像コヤムービー(特典除く)

<収録日>
2021年8月27日(金)

<収録会場>
北池袋 新生館シアター

<動画の長さ>
約74分(エンドロール含む)

<予告編動画>


<出演者>
田中聡
岩崎和巳
ayumu
川口和恵
高橋祐紀乃(劇団GIFT
久慈知香
橘剛
のむらそうし
村上栞
中泉けい子

<照明>
中山信之(劇団GIFT

<音響>
椙田佳生

<制作>
石塚美穂

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6月10日の「やみのむこうに」です。

Posted by theatreminori on 10.2021 稽古レポート
この日のビッグイベントは細かい調整が終わって製本された脚本が出演者たちに配布されたことです。これまでのテスト版と体裁も異なり、いよいよ本物の脚本という感じです。

さて、そんな脚本の印刷と製本作業と並行して行われた制作部では、公演で販売予定のグッズ製造がかなり本格化してきました。複数の種類のグッズを分担して、各自のペースで作業しています。もちろんソーシャルディスタンスで。人によって作業の内容は違っていても、目的は共通で、その商品が販売される前提で形を整えたり、微調整を加えています。

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あっという間に12時を迎え、お昼休みになりました。休み時間中は過去の公演の思い出話(失敗談)で大いに盛り上がりました。いきなり相手役の名前を間違えた事件、あの公演を再演するならだれがどの役かなど、これまで苦楽を共にしてきた間柄だからこそ笑いながら話せる話題ばかりでした。

午後の稽古は先週出ていた課題、脚本の全体像を把握して物語のテーマや人物の特徴を読み取ろうという取り組みについて、各自が準備してきた自分なりの解釈を発表し合いました。演出から要求されるテーマやコンセプトとは別に、各自が自分ならここをより強調したい、お客様にこんなテーマを届けたいというイメージを持つことで、演じる時の演じ方、何を押し出して、どこを控えるかのメリハリなどを理解できるようになります。また、他者のイメージを共有することで、新たな発見があることと、それを生かすために自分にできることは何かという模索に至ることができます。これによってお互いに表現したいことをよりよく表現するための良好なコンビネーションが成立するようになります。お互いに引き立て合うことで、面白さや奥深さが強化されるのです。

物語の解釈をディスカッションした後は、一人ひとりに製本済みの脚本配布式が催されました。手渡しの際に演出(脚本)から役のワンポイントアドバイスも添えられて、受け取った役者たちは非常に感慨深げでした。ここからどのように物語や役にアプローチしていくかの方法についても説明があり、まずは来週の稽古に向けて各自が準備をしてくることになりました。

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話の中で演出から脚本読み(セリフ覚え)と自転車の補助輪の類似点についての例えがありました。「不安だからと言っていつまでも外さずにいたら、永遠にできるようにならない」、「完全にできずに何度も失敗しても、失敗した分だけできるようになっていく」、「できるようになったら外します…で、できるようになるわけがない」、「つまづいたらそこに立ち返ってもう一度挑戦する」などなど、実にもっともだなぁと思わされる例えでした。

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さあ、いよいよ本格的に始動したことになります第25回公演「やみのむこうに ~しんそこにあるもの~」!8月27日(金)に向けて、全員が集中して取り組んでいきます!お楽しみに!

6月3日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 03.2021 稽古レポート
早いもので6月です。実感がわきませんが2021年も間もなく折り返しなんですよね。そして新年度がスタートして3か月目です。早いです。このままではあっという間に8月下旬を迎えます。そう。第25回公演です。2021年8月27日(金)~29日(日)に北池袋 新生館シアターにてです。そして9月から録画動画の配信も予定しています。各種チケットの販売開始は7月に入ってからになりそうです。

いきなり宣伝から始まりました6月3日(木)。午前中の制作部はひたすらグッズ作りでした。途中不足した布の買い出しもありました。そうなんです。布を使ったグッズが今回の目玉商品かもしれません。布を使うというと…バッグ?袋?服?タオル?などなど、様々なアイテムが思いつくことでしょう。もちろんまだ内緒です。

12時から13時の昼休憩をはさんで、午後は16時まで稽古でした。第25回公演用の脚本が配布され、早速シーンごとに多少の動きを交えながらの読み合わせを行いました。

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まだ確定していなかった配役については、何パターンかの組み合わせを試してみて、最終的には演出が「これからの伸びしろ」と「本人の適正」双方のバランスを考慮して絞り込みました。また、先週まではこの役はこの人かな…と決まったかに見えた役も、この日の稽古によって別の人材を探すことになるというケースもありました。この社会情勢と、当団体の活動スケジュールの兼ね合いもあって、この一部の配役決定には時間がかかるかもしれません。

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劇団内でも公演用の脚本はこれまで全貌が明らかになっていませんでした。前半部分、8割程度の脚本で練習を重ね、この日、遂に完結までが描かれた脚本になりました。もちろん単に終盤が書き足されてというわけではなく、1回ごとの稽古での役者の演技、特徴などを反映させつつ、役どころや展開も大幅にアレンジされる改訂が施されての脚本です。「こうなったのか」「最後のここ、いいですね」「最初の部分が生かされてますね」など、役者たちもそんな物語の成長を感じていました。

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さて、ここからは、この物語の面白さ、伝えたいこと、登場人物の生き様や特徴、生活背景などを全員で共有し、各々が表現する努力をしていくことになります。本日配布されて脚本を役者たちは読み込み、次回の稽古ではそんなディスカッションが行われることになっています。くれぐれも自分のセリフだけを追わないよう、物語全体を広く深く読んでくることが課題です。「これで始まったという感じがします」「やらないと」と役者たちも気を引き締めていました。そして早くも通し稽古の日程も発表されました。もうほとんど時間がりません。次週までのスタートダッシュが大きな山場になりそうです。

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ちなみに、第25回公演のタイトルは、もう間もなく発表される予定です。お楽しみに。

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